2015年5月1日時点での主要市場見通し

・こうした買われ過ぎからの調整は、まず米ドルの頭の重さとなって表れた。この背景には、4月になって、米当局が、米財務省による半期為替報告書、あるいは米連銀の地区連銀経済報告書で、米ドルが景気などの重石となっている点や、日欧の金融緩和政策(およびそれによる通貨安)に対する牽制を打ち出したこともあるだろう。
・続いて、これまでナスダック指数中心に盛り返しを見せていた米国株にも、調整色が忍び寄り始めている。最も価格調整と縁遠かった米国長期国債も、4月末にかけて、10年国債利回りが、じわりと2%を超えてきている(国債価格は下落)。

・こうした米株、米国債、米ドルのトリプル安がさらに進展すれば、「米国しか買うものがない」シナリオが、「米国も買えない」シナリオとなり、世界市場が混乱に陥る可能性が懸念される。
・特に米国国債の本格的な利回り上昇が、どういった形で起こってしまうか、ということだが、いつ実際に利上げをするか、ということよりも、いつ利上げがあると市場が思ってしまうか、ということによるだろう。このため、最終的に9月利上げが実現したとしても、好調な経済指標の発表が続き、市場が9月利上げではなく6月利上げの可能性が高まったと考えてしまうと、そうした思惑が最終的に外れるとしても、6月利上げを5月に織り込んで、今月から長期金利が跳ね上がる、という展開も否定できない。

・現時点までは、米国の低い長期金利を利用しようと、非米国企業も米国から借り入れを行なう、あるいは米国市場で社債を発行する、という形で、資金調達を増やしてきた。ここで長期金利が跳ね上がると、非米国企業の新規の資金調達が止まってしまうだけではなく、過去分の借り換えに支障が生じる恐れが強まり、米国以外の経済に与える悪影響が無視できなくなり得る。

・もし懸念しているような、米国でのトリプル安が実現した場合、まず国内長期金利については、どのような影響が生じるかは見極めにくい。米国長期金利の上昇は、国内金利についても上昇要因であるが、米株安やそれにつれての国内株安、加えて米ドル安円高は、金利低下要因だ。日本株の下落や、米ドル安円高が著しく進行した場合、それを受けて(事前に、ではない)日銀が追加緩和に踏み切る可能性もあろう。こうした点を鍋に入れると、どちらかといえば国内長期金利には押し下げ圧力が働くものと考える。

・米ドルについては、独歩安のイメージだ。米国の長短金利が上昇するのに、何故米ドル安になるのか、という疑問があるかもしれないが、穏やかな長短金利上昇であれば、上昇した後の高利回りを享受しようと、米国債への投資が膨らみ、米ドルが買われる展開になるだろう。しかし、米国金利の上昇、すなわち米国長期債の価格下落が急速であると、かえって米国市場からの資金逃避が連想され、米ドル安を引き起こすと見込まれる。とりわけ、米国株と米国債の価格下落が、手に手を取ってやってくる場合は、米ドル安の進行が想定される。
・このような米ドルだけの下落を見込んでいるため、ユーロや豪ドルの対円相場は、それほど大きくは崩れにくいと予想している。ただし、少なくとも短期的には外貨全般に米ドルに連れ安する局面は否定できない。短期的に、非米ドルの対円相場が、大きく上下に振れることがあるだろう。
・特に豪ドルについては、中国の実体経済が悪化し、豪州から中国向けの輸出が抑えられる、という点はマイナスだが、世界的な波乱が生じた際に、豪ドルの金利の高さを求めて資金が豪ドル資産に避難する、という要因はプラスだ。豪ドルの一方的な下落は、可能性が薄いと考えている。

・以上述べたように、米国発の世界市場の波乱を警戒しているが、その波乱の根本は、米国一人勝ちシナリオで買われ過ぎた米国市場が、適正な価値まで調整する、ということであって、繰り返しになるが、米国経済が根本的におかしくなるわけではない。米国市場の価格調整が終わってしまえば、世界的な混乱も収束に向かうだろう。したがって、世界市場が大幅な調整に見舞われれば、かえって買いのチャンスである。

・しかし、買いのチャンスが来たときに、買える現金を持っていなければならない。このため、引き続き、現局面は投資ポジションを抑制し、現金を用意する時であると考えている。

以上、シナリオの背景。
このあと、前月号(2015年4月号)見通しのレビュー。

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