2015年5月1日時点での主要市場見通し

・もう一つ疑念が生じているのは、中国経済だろう。「世界で一番早く発表されるGDP」(このこと自体、大変怪しいのだが)については、1~3月期の前年比ベースの実質経済成長率が、7.0%まで低下した(昨年10~12月期は7.3%)。
・中国の経済統計を信じないとすると、豪州から中国向けの輸出額から中国の景気を推し量ることが有効だと考えている(図表3)。輸出額そのものは落ち込み続けてはいないが底ばいといった状況であり、前年比はマイナス圏に沈んでいる。

(図表3)
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・一方、中国本土株は、概ね一本調子の上昇を続けている。中国では、4/17(金)に、機関投資家が空売りのための株式貸し出しを行なってもよい、と発表されたため、中国H株(香港上場の中国企業株)指数先物はこの日は前日比で4.77%もの下落をみせた。これに泡を食ったのか、中国の証券監督当局は、4/18(土)には、前述の措置は「空売りを推奨することが目的ではない」とのコメントを発表し、4/19(日)には預金準備率を1%幅引き下げると発表した。この経緯自体が全くのドタバタ騒ぎに見えるが、金融緩和期待から、中国本土株の株価上昇がまだ続いている。
・ただ、AIIB(アジアインフラ投資銀行)創設や預金準備率引き下げ以外の景気対策も含め、この背景には中国当局の景気動向に対する危機感があると考えるべきだろう。中国株は、「経済対策が打たれる→中国経済は良くなる→株価上昇」というシナリオに沿っているように見えるが、いずれ「経済対策が打たれる→それでも景気が持ち直さない→失望し、株価下落」というシナリオに転ずるリスクが高いと懸念する。
・そのように、シナリオがいつドロンと化けるかは、見通しにくく、予断を許さない。

・最近の市場動向について述べると、大半の市場参加者にとっての驚きは、ユーロ相場と原油価格の持ち直しだろう(※3)。
・ユーロについては、市場参加者は、次のような理由から、ユーロ安を見込む向きが圧倒的であった。①欧州経済の悪化。②ECB(欧州中央銀行)の一段の量的緩和。③ギリシャ財政問題の悪化。
・しかし欧州経済は、一段と悪化しているというよりは、これまでのECBの緩和政策などを受けて、底ばい状態にあると言える。また、ECBは量的緩和に踏み切ったが、緩和を加速させるというより、その効果をまず見守ろう、という姿勢だ。
・ギリシャについては、「俺たちは何もしないが、金を貸せ」「いや、それでは貸せない」という村芝居を、ギリシャ側とEU(欧州連合)側が繰り返している(そして今後も繰り返す)だけだろう。どちらも、崩壊に至って構わない、とは考えているまい。お灸をすえるため、EU側がギリシャ国債の一部デフォルトを放置するリスクはあり、それが短期的にユーロ相場を下振れさせる恐れはあるが、それとギリシャがユーロを離脱するかどうかは、全く別の話だ。ギリシャもユーロ圏を離れて信用力を維持できるとは考えていないだろうから、ユーロ離脱シナリオは、現実性が薄いと見込むべきだろう。
・そして何よりも、①~③のユーロ安要因は、既に場に晒されてしまっているという点が大きい。今以上のユーロ安が本格的に進むには、①~③以外の悪材料がのしかかる必要があり、それはさしあたって見当たらない。
・一時はユーロが対米ドルでちょうど1.0ドルまで下落する、といった、典型的に相場の大底で登場する悲観論が囁かれたが、この「いかにも」といったユーロ下落説を信じた投資家たちが、逆に1.12ドルを超えるようなユーロの上昇で、泣きながらユーロを買い戻しているところだろう。こうした損切りが一巡すると、短期的にはユーロの上昇が止まる可能性があるが、いたずらなユーロ悲観論は一旦矛を収めた感がある。

※3 筆者は、2/2付当レポート2月号で、ユーロ円の下値予想を127円に修正して以降、ずっと据え置いているので、一時127円を小幅割れたユーロが、その後上昇してきたことは、驚きでも何でもないが。

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