「アジアで成功する条件」

・ニトリのビジネスモデルは、売価と品質をいかにリーズナブルに提供するか、を追求する中で形成されてきた。世界初の製造物流小売業である。バーティカルマーチャンダイジング、すなわち垂直型のバリューチェーンを作る中で、海外進出は必然であった。1986年の台湾に始まって、インドネシアに工場を作り、アジア各地からPB商品として調達する仕組みを作ってきた。商品の90%は自社開発である。工場はインドネシアとベトナムにあり、アジアの15拠点と取引している。

・これからはアジアの市場が最も伸びる。よって、アジアで1番になれば世界でナンバーワンになれる、と確信をもっている。現在(2014年度)は売上高4172億円、経常利益679億円という水準にあるが、これを2017年度には、同5500億円、同800億円にもっていく。これは当面の計画で、この時の500店、5500億円を、2022年に1000店、1兆円、2032年に3000店、3兆円に拡大する方針である。

・日本の家具・ホームファッション市場は今の3兆円が2032年でも4兆円にすぎないが、アジアは10兆円が25兆円に拡大するとみている。この10%をとれば3兆円はみえてくるという構想である。3000店の時、日本が1000店、北米700店、中国800店、台湾300店、欧州300店という内訳である。

・ビジョンというのは、100倍の規模をイメージする。絶対に無理そうな目標への挑戦である。1000億円を超えてきたら、10倍のイメージでもよいという。ポイントは、社会貢献にある。アジアの人々が頑張れる仕組みを作って、彼らが自分のために努力する経営を行うことであると主張する。ニトリは、その国の社員を自己成長させて、経験を積む中で経営を任せていくという。台湾のニトリは上場をめざしている。

・致命的な失敗は避ける。会社が潰れてしまうようなチャレンジはしないということである。これには、その事業が失敗しても十分吸収できるレベルで行うこと。もう1つは悪いことは絶対にしないことである。

・ニトリが企業規模を拡大する中で、最も障害となったのは社内の経営陣にあったと似鳥社長はいう。似鳥社長のロマン、ビジョンに付いて来ることができないからである。最大の抵抗勢力は社内にあり、大きく新しいことをやろうとすると社内で反対が起きる。結果として、役員は5回転したという。古参の役員には交替してもらったわけだが、一方で、コーポレート・ガバナンスの充実は今後の課題であろう。

・澤田会長は、H.I.S.を大きくした。現在H.I.S.は世界60カ国に186店を有し、アジアで急拡大を図っている。澤田会長はいくつもの事業をてがけてきたが、その中で失敗や苦労も経験している。一方で、成功している事業も多い。国内では9年も赤字であった証券会社を再建させたが、ベンチャー企業の上場という点では法令上のミスも起こした。モンゴルでは4位の赤字銀行を支援して、現在ではモンゴル№1の銀行に成長させた。ハウステンボスは、それまでの経営が上手くいかなかったのとは対照的に、数年で見事に再建した。ハウステンボスの場合、再建の引き受け手がいない中で、市長が3度も頼みにきたという。3度目はアポなしでお願いにきた。3度頼まれると、ノーと言えないのが澤田会長の性分らしい。そこで、本気で取り組むことにした。

・澤田会長も似鳥社長も、人材が決め手と強調する。社内で足らない人材はスカウトしてきたが、よい人材は少ない。目を凝らしても外れることが多いので、内外とも人を育てていくことに最も力を入れていると強調した。

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