「どんな株に投資するか~スマートベータとアルファ」

・リクイディティ(流動性)には有意性がある。実際、リクイディティが低いインデックスの方がよいシャープレシオ(リスクに対するリターンの良さ)を示すという。しかし、リクイディティが低いということは、実際の場面では株が買いにくく、売りづらい、ということになる。つまり、トレーディングコストが高くつくことが多いというディメリットがあるわけだ。

・モメンタムは簡単でない。株の上げ下げの勢いを追うので、素早い行動が必要である。高速取引(HFトレード)で他者を出し抜ければよいが、現実にモメンタムプレミアムをとることはかなり難しい。

・ローベータプレミアムは有効である。低いベータのポートフォリオをインデックス化すると、そのシャープレシオはかなりよい数値を示す。ギャンブル好きのようなハイベータを追うことは非合理的であるが、そういう投資家がいればいるほどローベータにプレミアムが出ることになる。ローベータ、つまりローボラティリティ(低い変動性)のアノマリー(アルファの要因)は今やポピュラーになっているが、1年に1回程度のリバランスでよいので、運用のキャパシティを大きくすることもできる。

・バリューはどうか。これもよいパフォーマンスの上げるのに効果がある。過去のデータでも予測のデータでも通用するという。人々はネガティブなニュースに過剰に反応する行動をとりがちである。よって、行動経済学的にみて、プレミアムが生まれる可能性が高い。日本の株式市場でもこのバリュープレミアムは顕著である。

・スー副会長の見立てをどのように応用するか。まずは自分が保有する株式の商品、投資信託やポートフォリオがどういう特性を持っているかを確認する必要がある。日本株でいえば、日経225やトピックスのようなインデックスであるかどうか。あるいは、1)サイズでみて大型株か小型株か、2)クオリティでみて、ある特性を持った優良株か、3)流動性(出来高)は大きいか小さいか、4)相場の勢いに反応しやすいモメンタムを持っているか、5)相場の上げ下げに左右されないローベータか、6)割安株といえそうなバリュー型かどうかを検討してみる。その上で、ローベータやバリュー型であれば安心できそうであり、パフォーマンスもよくなりそうである。

・本当にそうだろうか。ポートフォリオがそれぞれの特性を有したインデックスであれば参考になろう。また、それとほぼ同じような投資信託(ETFなど)であればよいかもしれない。自分なりのポートフォリオで作っているのであれば、ポートフォリオの特性を知っておくという意味において参考にしてよい。しかし、とらわれる必要はない。自分なりの考えで、独自のポートフォリオを作っているのであれば、心配しなくてよいかもしれない。しかし、パフォーマンスが何らかのインデックスにいつも負けているならば、再考する必要がある。個別銘柄のαをとるようなアクティブ運用は、インデックスになかなか勝てないというのが常識(「敗者のゲーム」)である。

・自分なりの考えで、長期的にαがとれるのであればよい。そのための工夫と努力が問われる。その時にも、ローベータ型かバリュー型かは検討してみる必要があろう。その上で、小型成長株投資、大型優良株投資などを実行するには、その企業の成長性や持続性(サステナビリティ)をよく理解して納得することが求められる。スマートベータやαの源泉をよく知っておくことがカギであろう。

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