欧州投資家との討論で浮上した共通の疑問~「日本株は何故割安なのか、どう修正されていくのか」~

(3)欧州投資家からの質問

① なぜアベノミクスが失敗したように見えたのか、それが何故2015年に顕在化するのか
アベノミクスの成果つまり円安のプラス効果が見えていないのは、日本企業の貿易構造が大きく変わっているからである。かつての円安の景気浮揚効果は、円安によって輸出数量が増えて国内の生産が増加し、それが連鎖的な好影響をもたらすという形で、国内経済を押し上げた。図表1は前回の円安局面(2001年から2004年)での輸出数量と輸出単価の推移であるが、円安が始まっても輸出価格はあまり上昇せず(つまりドル建て値下げがなされ)、輸出数量が大きく増加していることが分かる。しかし今回の円安局面では図表2に見るように、輸出価格が大幅に上昇している一方輸出数量が低迷を続けている。円安局面での輸出企業の対応が10年間で180度変わっているのである。

もはや日本の企業は価格競争をしていないので、円安になってもドル建ての値下げをする必要がなく、円ベースでの輸出単価が大幅に上昇している。円安になっても値下げにより価格競争を挑まないのであるから、輸出数量も増えない。企業のビジネスモデルが著しく変わったことが明確である。価格競争によりシェアを拡大し、近隣窮乏化をもたらすビジネスモデルから、技術品質優位品に特化し、競争を回避するというモデルに完全にシフトしたのである。それは貿易摩擦どころか、海外諸国が自国の発展に不可欠の日本の技術・品質を求めて日本製品を渇望するという状況をもたらす。政治的に対日批判をしてやまない中国習近平政権の安倍政権への接近は、日本の技術に対する渇望があるために他ならない。

★図表1-2

② 今年は何故大幅な賃上げが期待できるのか
賃上げに向けたかつてない好条件が揃っている。① 最高の企業収益、② 新ビジネスモデルを確立し終え、先行投資(技術開発とグローバルサプライチェーン)の必要性が一巡してきたこと、③賃金上昇が今年の最優先とのコンセンサスが形成されていること(政府、経営団体、学者などオピニオンリーダー、労働組合)、④賃上げ減税などの政策支援、⑤高給を得ていた団塊世代の退職により企業の支払い余力が高まっていること、⑥労働需給のタイト化(特に技能労働者)、等。2013年度までの賃上げは年間1.6~7%の定期昇給(個人の能力アップに応じた賃金表での移動)のみであったが、2014年度は0.5%程度のベースアップ(賃金表の書き換え)が実現、2015年度は1%を超えるベースアップが期待できる。CPI上昇が1%程度とみられるので、3%近い賃金上昇により実質賃金も上昇することになり、消費増加を支えるだろう。

★図表3-6

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