欧州投資家との討論で浮上した共通の疑問~「日本株は何故割安なのか、どう修正されていくのか」~

(2)今や世界標準となったQEが、先進国、特に日本の株価を大きく上昇させる

歴史的金利低下の原因はQEではない
QEを侮る人々の決定的誤りは、長期金利の低下がQEによるものであり官製債券バブルと考えること。投資需要が全くない中でQEによる資金供給が、主要先進国の歴史的長期金利の低下をもたらしていると考える。しかし長期金利の低下はQEとは全く無関係である。なぜなら仮にQEがなかったとすれば株価は現在よりはるかに低水準で、長期金利は今よりももっと低下していたはずだからである。それでは歴史的低金利が示す新たな現実とは何か、それは循環論では捉えられない構造変化である。そして資金の需要と供給のアンバランスが極端に進行していることである。その原因は、潤沢な資本と過小な資金需要の両面にある。潤沢な資本の源泉は企業の高利潤、過小な資本需要は資本生産性の向上による資本の過少消費(設備など投資資産価格の劇的低下)にあると考えるほうが道理に合っている。とすれば、空前の金利の低下は空前の産業革命が進行していることを意味する。つまり。金利の低下は資本主義の頽廃=資本収益性の低下との説は深刻な誤りであり、執拗に続く先進各国企業の高収益を説明できない。
過剰資本、過少投資需要の主因は新産業革命
とすれば今は、人為つまり政策が各国経済の運命を分かつ時である。ベストシナリオは資本余剰が需要創造として使われ、経済成長と長期金利の上昇に結び付くケース、ワーストシナリオは資本余剰が退蔵され、デフレ、資本の死蔵からシステムの急速な頽廃が進み、体制崩壊に至るケース。QEとは余剰資本の需要創造への転化の試みであり、前人未到で誰にも確信はないものの、現在の政策選択肢ではベストであると思われている。QEが成功すれば市場メカニズム(=資本主義)が依然健在であることを実証、失敗すれば資本主義の修正=市場メカニズムへの公的介入が必要or 資本主義の衰退という仮説も正当性を帯びてくる。
米国経済の本格回復はQEの有効性を示す
注目は米国経済が、どうも成功しつつあること。雇用の増加、賃金の上昇、CPIプラスの維持と絶好調の企業収益、企業の健全な財務活動(=資本を退蔵させない)などが次々に顕在化し株高を持続させていることである。2015年のメインシナリオは、米国景気の本格拡大、資金需要の拡大、長期金利の緩慢な上昇と景気拡大の進行。景気拡大のとん挫の懸念が出てくれば、修正資本主義の出番(その代表はケインズ主義)であるが、今のところその必要性は低いと考えられる。
QEが必然的にもたらす資産価格の上昇
さて投資家はそこまでQEの帰趨を洞察する必要はない、QEが必然的に金融市場に何をもたらすかを考えるだけでよい。それは必然的に資産価格上昇、かつてないリスク資産の投資機会をもたらす。それが空前のバブルなのか合理的(=持続性のあるもの)なのかは、確かではないが、その議論は机上の空論、唯一歴史によってのみ検証される。QEの画期性とは、先進国3極のすべての中銀(米、英、日、欧)において二つの共通規範(=discipline)が確立されたこと、QEの後退や変更は考えにくくなった。①絶対ゴール2%インフレの設定、②あらゆる政策を2%インフレ目標達成のために動員する、の二つである。各中銀は退路を断ち、ひたすら絶対目標実現にいそしむことになる。それは必然的に資産価格の大幅な上昇をもたらすだろう。

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