QEがもたらす先進国の株価革命~今や世界標準となったQEは何故正当なのか~

(2) 金利低下が良いことであるとしたら、それはどんな仮説か

さて今の金利低下をもたらしているポジティブな要因は何かというと、それは空前の技術革新による生産性、特に資本生産性の上昇である。資本生産性の上昇(つまり設備価格の大幅な下落)により、設備投資や新たな企業を興す際のコストが大幅に削減されている。その結果発生した資金余剰が、世界的に長期金利を押し下げているというのが、筆者の解釈である。

悲観論者にとって鍵となるコンセプトは

「金利低下=企業の価値創造能力の低下=資本主義の頽廃」

であるが、そうした仮説は企業収益が米日欧先進国で著しく向上している現実を全く説明できない。今の高収益は一過性のもので、いずれ大不況の到来により企業収益の急悪化、配当激減、淘汰は避けられないと主張されてきたが、リーマンショック後の着実な企業収益向上によりそれは説得力を失っている。

実際、アップルやグーグルなど高い収益を上げている米国の新興企業では、投資コストをそれほど必要としない為、著しく増加した収益は企業買収や自社株買いの原資になり、企業の外に新たな運用対象を見出すという時代に入っている。かつてシリコンバレーのスタートアップ企業にとって、最大の困難はいかに資本を調達するかであったが、今ではクラウドコンピューティング、インターネットなどの技術進化によって、資金問題は著しく容易になっている。収益力向上と資本生産性の上昇(設備など投資コストの下落)による資金余剰は日本企業において更に顕著である(図表6参照)。

このように世界的に技術革新が進行し企業の収益が向上し、資本生産性の上昇によって企業にとって必要な投資コストが大きく低下をしている現実が、長期金利を押し下げているとすれば、この金利低下は良い現象である。図表5、6、7、8に見るように、日米ともに近年、利潤率(企業のもうける力)が上昇を続ける一方、利子率(企業の資本コスト)が急低下し両者のかい離が一段と著しくなっている。悲観論者の仮説とは逆に

「企業の価値創造能力の上昇=資本主義の活力向上=資金余剰と金利低下」

という因果関連になっているのである。

金利低下はより安いコストで資金が調達でき、それによってより有利な投資が可能になるのだから、将来展望は明るい。そのような環境のもとでは、中央銀行の量的金融緩和は景気拡大、株価上昇、デフレ回避を実現し、成功するだろう。

★図表5-8

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