2015年1月5日時点での主要市場見通し

(1)原油価格の一段の下落と、ロシア経済の悪化

・原油価格に下げ止まりの兆しがなかなか見いだせない。背景には、サウジアラビアがシェア確保のため減産しないことや、長期的には代替エネルギーの拡大や省エネの潮流が、要因として挙げられる。
・ロシアは輸出の約7割が、原油や天然ガスといった鉱物性燃料であり(図表16)、エネルギー価格下落の打撃は大きい(※2)。また、ウクライナ情勢を巡っての欧米諸国の経済制裁も継続している。

(図表16)
zuhyo16

・ロシアの直近の外貨準備高は4000億米ドルにのぼり、2013年末の5097億ドルから減少してはいるが、2013年年間の総輸入額(3150億ドル)を上回っている(全く架空の世界で、輸入代金を全て政府が肩代わりしても、1年以上はもつ)。今のところロシアは外貨準備を通貨介入などで「浪費」する構えは見せておらず、しばらくは「塹壕戦」を戦うことは可能だろう。
・しかし、ロシアの経済・金融が危機に陥る展開は否定できない。その経路は、①ルーブル建て輸入物価の跳ね上がりによる景気悪化、②外貨建て債務を有する企業の破たん、
③政府による民間支援等の結果としての外貨準備枯渇、④ロシア国債の格下げが国債需要の瞬間蒸発を招くことによる、ロシア政府の資金繰りデフォルトなどが想定される。

(2)米国国債市場発の混乱

①米長期金利の水準は低すぎ、水準訂正が急速に生じる恐れ

・米国内外の実体経済は、述べたように堅調だ。それを受けて米連銀は、2015年に利上げを行なうと予想される(今のところ、6月16~17日のFOMCが、最も利上げの公算が高いと見込まれている)。とは言っても、利上げのタイミングも政策金利の上げ幅も2回目以降の利上げも、慎重なものになると見込まれる。したがって、連銀の金融政策そのものから、米国景気の緩やかな改善がかき乱される、という可能性は低いと考える。
・ただし証券・金融市場の乱れが生じ、それが経済のかく乱要因となりうる、という懸念は残る。その市場の乱れとは、具体的には、まず米長期金利の跳ね上がりである。
・そもそも現状の米長期金利は、実体経済に比べて低すぎる。米国製造業企業の景況感を示す、ISM製造業指数と10年国債利回りの推移を比べてみると(図表17)、過去は両者の相関が高かったものが、最近では景況感に比べての長期金利の低迷が際立っている。
・一時は、米国経済が弱い時期があったため過度の米景気悪化懸念が生じたことや、連銀が量的緩和という形で国債の大きな買い手であったこと、欧州財政懸念が広がり欧州国債から米国債への資金シフトがあったことから、景況感と長期金利の格差を説明できた。そうした3つの要因はその後大きく剥落し、実際の長期金利も一時は景況感が示す水準に近づくという、「正常化」が進んだ局面もあった。しかし現在の長期金利は再度低下を鮮明にしており(欧州経済に対する懸念は再燃してはいるが、財政危機時ほどではないだろう)、これは長期金利が低すぎると判断せざるを得ない。

(図表17)
zuhyo17

・低すぎる金利は、いずれ景気の実力に見合った水準へと修正されよう。それ自体は、景気の堅調展開を背景としたものであるため、さしたる問題ではないが、市場はしばしば、激しく変動する。金利上昇が緩やかに起こればよいところ、急速なスピードで動くと、後述のように、様々な影響を生じる恐れが強まる。

※2 比較対象として、同じ「資源国」と言われるブラジルを並べているが、輸出構造が大きく異なる。原油価格下落により、資源国通貨が一斉に売り込まれる局面がしばしばあるが、それでブラジルレアルまで大いに売るというのは、行き過ぎの感がある。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> 市場解説・相場展望> 2015年1月5日時点での主要市場見通し