アベノミクスは格差拡大の元凶?

・何かとんでもない変化

私はアベノミクスを経済的に評価しているが、すべてではない。個々の政策というよりは、リスクを取る体質を評価している。異次元の量的緩和や、GPIFの改革、政権内外の反対を押し切っての再増税の先送りなどだ。

長らく続いた円高時代はまた、日本離れの時代だった。円安になれば、農産物を含め、国内調達が増えてくる。円安の程度次第では、メイド・イン・チャイナより、メイド・イン・ジャパンが価格でも安くなり、内需主導になるのだ。また、輸出品が割安になるだけでなく、日本全体が割安となり、海外からの投資や消費も増えてくる。その恩恵は、日本全体が受けることになると見ている。

私が、円安に苦しむ人々がいるのを承知していながら、円安のメリットを強調することをお許し願いたい。実のところ、私は円安以外に日本経済が立ち直る方法はないと見ているのだ。

上の「一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移」をもう一度ご覧頂きたい。日本政府は一般家庭に例えると、500万円の年収なのに、1000万円を使うような生活を続けている。不足分は借金するしかない。過去5年間は1000万円の生活費の半分以上を借金に頼る状態で、債務残高は1億円を超えることになった。自分がそういう立場になったなら、あなたは一体どうやって切り抜けるだろうか?

国民がスポーツ選手だとすれば、政府はいわばマネージャー兼トレーナーといった役割だ。政府の収入は、国民がいかに稼ぐかにかかっている。政府の財政が苦しい時に増税するのは、選手の取り分を削って、マネージャーの取り分を増やすことに等しい。上図を見て頂ければ分かるが、取り分を上げた年にはマネージャーの収入が増えるが、それがピークで、二度と昔のような収入は得られていない。それも通りで、パワーを削がれた選手のパフォーマンスは調子の良い時でさえ、昔のような輝きを取り戻せないからだ。

ここでよく考えて頂きたい。少子高齢化で、ただでさえ選手のパワーは落ちている。それが元気な時には3%の負荷で走らされていたのが、1997年からは5%の負荷に増やされ、2014年には8%に、そして近い将来には10%の負荷をかけられようとしている。税収は絶頂期ですら60兆でしかない。老齢化したパワーに昔の3倍以上の負荷をかけられ、100兆円近くの稼ぎなど出せるのだろうか?

何かとんでもない変化でもない限り、そんなことはファンタジーでしかない。

正統派の答えは1つしかない。小さな政府だ。その点では、安倍政権にも期待薄だ。なぜなら、過去最大の財政規模になっているからだ。上図のように歳出は僅かながらも減っている。予算の使い残しが出ている。にもかかわらず、過去最大の財政規模、かつ増税というのは、大きな政府を狙っているということ以外には説明のしようがない。大きな政府とは、大きな財政で、大きな権限、裁量権を持った政府だ。

大きな資金、大きな権力には、省庁、政治家、圧力団体、企業などが群がり、発言力がないサイレント・マジョリティが損をする。そして、何よりも増税により個人消費という日本経済最大の民間パワーが大きく削がれてしまうのだ。

財政再建の王道は小さな政府だ。政府の役割を政府にしかできないものに限定し、資金と権限を民間に返すことだ。マネージャー兼トレーナーは選手ではないのだ。自分では稼げないのだ。そして、規制は必要最小限に留めるべきだ。

と、これは理想論だ。仮に総論では多くの人が賛同しても、実際に統廃合される省庁や、政治家、公務員、労働組合などが黙っていない。私は、小さな政府に向かうよりも、財政破綻の可能性の方がはるかに高いと見ている。私の現状認識では、そうなる。

では、もう諦めるしかないのだろうか?

ファンタジーをファンタジーでなくする、何かとんでもない変化が円安だ。上図にある過去のトレンドが続くなら日本政府は破滅だ。過去のトレンドにないものが円安トレンドなのだ。

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