円安メリットがもたらす企業競争力

輸入製品の脅威が縮小~紙パルプ業

 一般的に紙パルプ産業は円安デメリット産業といわれています。海外から輸入した原材料やエネルギーを使って紙を製造し国内に販売していることから、円安になると輸入コストが上昇し製品マージンは悪化してしまうためです。しかしそれまでの円高局面で大きくシェアを伸ばしてきた輸入紙が円安による製品価格上昇で競争力を失うことで、国内メーカーの販売シェアが上昇し、価格決定力が強まり輸入コストの上昇を顧客に転嫁しやすい環境が整ってきたと考えられます。輸入コストの上昇によって一方的にマージンを縮小させるばかりではなく、国内でのシェア回復と価格支配力の上昇を勝ち得ることができるのです。更に円安が進めば鉄鋼業と同様に輸出競争力の上昇によって海外市場での販売拡大が見込めるようになる可能性も高まるのではないでしょうか。

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輸出数量にようやく増加の兆し

 2012年末から転換した円安トレンドも約2年が経過しました。貿易統計を見てみると、これまで円安に伴って輸出金額は順調に増加してきたものの、輸出数量の顕著な伸びは確認できませんでした。これは日本企業が円安で得た価格競争力を、数量増加を意図した現地価格の引き下げではなく製品マージンの改善を意図して価格を維持してきたことの表れと読み取ることができます。日本製品は価格を引き下げて大量に販売する製品ではなく、技術力や品質で差別化された中高級ゾーンにシフトしてきたことも背景として考えられています。しかし、足もとの貿易統計ではようやく輸出数量に増加の兆しが出てきました。2年間の円安で充分に収益性を高めてきた日本企業がようやく積極的な輸出販売政策を採りはじめた可能性、また徐々に実現しつつある国内への生産回帰の表れなど、今後の展開に非常に期待が持てる状態といえます。

 為替の円安効果はこれからも日本経済に大きくプラスに貢献できる可能性は高く、製造業を中心とした日本経済の回復にまだまだ期待できるのではないでしょうか。

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※当コラムは執筆者の見解が含まれている場合があり、スパークス・アセット・マネジメント株式会社の見解と異なることがあります。

このページのコンテンツは、スパークス・アセット・マネジメント㈱の協力により、転載いたしております。

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