2014年12月1日時点での主要市場見通し

④公社債価格下落は広範囲に悪影響を

・社債価格の下落は、様々な悪影響を引き起こしうる。もちろん米国企業にとっては、資金調達コストが増大することになる。足元は、米国以外の企業も、低金利を活用しようと、米国内での米ドル建て社債発行を増やしてきた。こうした非米国企業も、資金調達がこれまでほどは安易にできなくなるだろう。
・ちなみに一部の海外企業は、米ドル建てで調達した資金を、米国の証券市場に投資する、といった、利ザヤ稼ぎ、マネーゲームに走っているのではないか、との疑念も強いようだ。もし資金調達が細れば、米国内の証券市場に売りが広がる、という展開が生じうる。
・加えて、米長期金利の上昇が米ドル高を招けば、海外企業にとっては、既発の米ドル建て債務残高の、現地通貨換算額が膨張し、債務の返済負担が増大する恐れも広がるだろう。
・また、国債のみならず社債の価格下落が懸念されるのは、そうした公社債が、レポ取引
(買戻し条件付き債券売買取引、日本の現先に相当)の担保によく使われているからだ。国債や社債の価格が下落すれば、場合によっては資金の出し手は取り手に対し、追加担保の差し入れを要請する。資金の取り手が追加担保を供することができず、資金もすぐには返せない、となれば、レポ取引がデフォルトする。この場合、資金の出し手は担保の債券を売却して資金回収に走るので、そうした売りがまた債券価格を押し下げる、といった、悪循環を引き起こすことも生じかねない。

⑤長期金利の上振れによる混乱が生じても、短期的なもので、タイミングもわからない

・もちろん、述べたような金融取引の決済不能の広がりなどが、金融システム全般を脅かすリスク(システミックリスク)に対しては、米連銀は既にリスクの可能性を踏まえて事態を注視しており、個別の案件はともかく、米国金融システム全体を揺るがすようなことにはなりくにいと考える。
・加えて、米国経済の回復度合いの緩やかさや、前述のような連銀の慎重な利上げ姿勢を踏まえれば、米長期金利が長期的持続的に大きく上昇し続ける、という展開は見込みにくく、最悪の場合でも、金利の水準訂正が短期的に急速に生じる形だろう。したがって、述べてきたような米国証券・金融市場の動揺が現実に起こるとしても、短期的な混乱であり、深刻な事態に陥るとまでは想定する必要は薄いと考えている。
・問題は、本当にそうした長期金利の急速な跳ね上がりが(実現する可能性が高いとは考えてはいるが)必ず起こるかどうかはわからない(跳ね上がりというより、極めて穏やかな金利上昇がゆっくり続くかもしれない)、ということだ。また、長期金利の跳ね上がりは、何かタイミングが決まったイベントにより引き起こされるようなものではないだろう。年後半とみられる連銀の利上げが迫るほど、長期金利の上振れは起こりやすいだろうが、上振れが始まる前日まで、その気配は捉えられないだろう。
・したがって、投資スタンスとしては、2015年後半に、市場の波乱が米長期金利の上昇により引き起こされることが必ず実現する、という前提を元に投資行動を行なう、というより、そうした波乱が生じるかもしれない、ということを頭において、株高・外貨高(円安)時にレバレッジをかけた買いポジションを拡大しない、また波乱が実現した時にあわてない、という心構えを薦めたい。

以上、シナリオの背景。

このあと、前月号見通しのレビュー。

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