2014年12月1日時点での主要市場見通し

(2)2015年は米長期金利の急速な「正常化」のリスク

①長期金利の水準は低すぎ、水準訂正が急速に生じる恐れ

・米国内外の実体経済は、述べたように堅調だ。また米連銀は、2015年後半にも利上げを行なうと予想されるが、利上げのタイミングも政策金利の上げ幅も、慎重なものになると見込まれる。したがって、実体経済が内包するリスクや連銀の金融政策から、足元のような米国景気の緩やかな改善がかき乱される、という可能性は低いと考える。
・ただし証券・金融市場の乱れが生じ、それが経済のかく乱要因となりうる、という懸念は残る。その市場の乱れとは、具体的には、まず米長期金利の跳ね上がりである。
・そもそも現状の米長期金利は、実体経済に比べて低すぎる。米国製造業企業の景況感を示す、ISM製造業指数と10年国債利回りの推移を比べてみると(図表11)、過去は両者の相関が高かったものが、最近では景況感に比べての長期金利の低迷が際立っている。
・一時は、米国経済が弱い時期があったため過度の米景気悪化懸念が生じたことや、連銀が量的緩和という形で国債の大きな買い手であったこと、欧州財政懸念が広がり欧州国債から米国債への資金シフトがあったことから、景況感と長期金利の格差を説明できた。そうした3つの要因はその後大きく剥落し、実際の長期金利も一時は景況感が示す水準に近づくという、「正常化」が進んだ局面もあった。しかし現在の長期金利は再度低下を鮮明にしており、これは金利が低すぎると判断せざるを得ない。

(図表11)
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・低すぎる金利は、いずれ景気の実力に見合った水準へと修正されよう。それ自体はさしたる問題ではないが、市場はしばしば、激しく変動する。金利上昇が緩やかに起こればよいところ、急速なスピードで動くと、後述のように、様々な影響を生じる恐れが強まる。

②貸出金利上昇が実体経済に影響を与えようが、限定的か

・まず、長期金利上昇の影響として懸念されるのは、住宅や自動車など、高額で、借り入れに頼った購買の比率が高い分野だ。特に足元の自動車市場については、販売業者がサブプライムローンを含めた融資攻勢で購買を支えている面があり、金利上昇により借り入れにブレーキがかかると、販売台数の水準が落ちる可能性がある。
・とは言うものの、前掲の(図表1)で述べたように、住宅や自動車には既に軽い一服感が漂っている。この点では、住宅や自動車が過熱状態から一気に悪化する、というような事態は見込みにくく、「山低ければ谷浅し」といったような、軽微な調整にとどまるものと予想される。
・また、そもそもどうして長期金利が上昇するかに立ち返れば、上昇の理由は景気が堅調だからである。景気が強くもないのに金利だけが上がるような状態(たとえば財政悪化懸念で国債が売り込まれるような事態、いわゆる「悪い金利上昇」)ではないために、悪質な金利上昇が景気を傷める、という展開にはなりくにいだろう。

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