「日本株アクティブファンドは隠れインデックスファンドばかり」~真のアクティブファンドを探すには~

 個人的な見方ではありますが、日本株アクティブファンドと自称しているにも関わらず、中身はほとんどインデックスファンドと変わらない隠れインデックスファンドが多く存在していると考えています。真のアクティブファンドは、中小型株にも積極的に投資していくか、少数の銘柄に集中投資します。

 しかし、日本の機関投資家のファンドマネージャーは証券会社や銀行などの系列会社の影響を受けたりしてリスク回避的となることが多いため、日本株の真のアクティブファンドは実はとても少ないと思われます。

 真のアクティブファンドが運用できる運用会社の条件とは、証券会社や銀行などの系列会社を持たない独立系であり、運用会社自身が上場しているなどによってコーポレートガバナンスがしっかりと行われ、そして、日本の顧客と異なりリスクをとることを要求する日本以外の顧客を多く持つことであると考えています。

 日本株アクティブファンドと自称しているにも関わらず、中身はほとんどインデックスファンドと変わらない隠れインデックスファンドが多く存在します。隠れインデックスファンドが存在することは日本に限った話ではなく世界的に存在します。エール大学のクレマーズ教授とペタジスト教授による調査*1は、2002年の米国の公募投資信託のうち株式アクティブファンドを調べた結果、2割程度がインデックスファンドとほとんど変わらない隠れインデックスファンドであるとことを示しました*2。真のアクティブファンド*3は4割程度であり、隠れインデックスファンドよりパフォーマンスがよいことを示しました。そして、真のアクティブファンドは、中小型株にも積極的に投資しているか、少数の銘柄に集中投資していることを示しました。

 真のアクティブファンド以外はアクティブファンドと認めず、隠れインデックスファンドをスマートベータで置き換える動きが世界で起きています。コロンビア大学のアング教授らは、ノルウェー政府年金基金グローバル(Norwegian Government Pension Fund – Global)向けの報告書*4を作成し、多くのアクティブファンドが生み出す超過リターンがスマートベータで得られることを示しました。そして、スマートベータで獲得できないリターンを生み出すことができる真のアクティブファンドとして、高度に個別企業を選別投資するファンドや経営者とのエンゲージメントを重視したファンドであることを指摘しました。これの報告書が発表されて以降、隠れインデックスファンドのスマートベータへの置き換えが進み、真のアクティブファンドである、中小型株にも積極的に投資しているファンドや、少数の銘柄に集中投資しているファンドへのニーズが高まりました。

 日本においては、米国に比べ隠れインデックスファンドが更に多く、真のアクティブファンドは極めて少ないと考えられています。早稲田大学の首藤教授らによる調査*5は、日本の運用会社のファンドマネージャーは、投資視野が短く、群れ行動を行い、過度のリスク回避の傾向が顕著であることを示しました。過度のリスク回避は、先に述べたクレマーズ教授とペタジスト教授による調査によって、パフォーマンスの悪化要因になることが示されています。また、投資視野が短いことや、群れ行動がパフォーマンスを悪化させることは、メリーランド大学のワーマーズ准教授による調査*6など、多くの実証研究*7が示しています。

 日本のファンドマネージャーがこのような傾向を持つ理由として、首藤教授らは、日本の運用会社は証券会社や銀行などの子会社である場合が多く、そのような運用会社は経営の独立性が低くコーポレートガバナンスに問題があると指摘しています。確かに、証券会社や銀行が自社の人材育成の目的で、子会社の運用会社に人材を派遣し、一時的にファンドマネージャーをやらせる場合すらあります。彼らはプロフェッショナルではないため、証券会社のアナリストなど他の人たちの意見を多く取り入れすぎて、群れ行動を起こしやすいのです。そして、このような運用会社の顧客の多くは日本の機関投資家であるが、その担当者もやはり一時的に担当している場合も多いのです。そのため、顧客自身もプロフェッショナルではなく、自身が担当している間だけ問題が起きなければ良いと考え過度にリスク回避的になり、運用会社にリスク回避的な運用を要求することも少なくありません。このようなリスク回避的な顧客ばかりをもつプロフェッショナルでない運用会社のファンドマネージャーたちが運用するアクティブファンドは、必然的に隠れインデックスファンドとなるでしょう。

 首藤教授らは、真のアクティブファンドを運用するために運用会社に必要なことは、優れたコーポレートガバナンスを行い経営の独立性を確保することであると結論付けました。これは欧米の運用会社では当たり前のことに思えるが、日本では経営の独立性を確保し、優れたコーポレートガバナンスを行っている運用会社はとても少ないのです。そして、数十年という十分な期間、日本以外の投資家などリスクを積極的にとる投資家を顧客に持ち、厳しくリスクをとる運用を要求され続けた運用会社もとても少ないのです。

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