間接課税へのシフトとQQE2の表明で日本株は世界のベストパフォーマーへ~世界同時株安、政策リスクと投資機会~

最も望ましいのは2%の追加消費税増税を1年から2年先送りし、同時に2015年4月以降に追加量的金融緩和を実施して、一気にデフレ心理とリスク回避心理を一掃することであろう。消費税増税は積み残された2%にとどまらずにさらに15%程度まで引き上げるとともに、法人税と所得税の税率引き下げを導入することで直接税から間接税への課税体系の見直しを提起するべきである。それこそが海外に漏出している法人と富裕者の所得を国内に還流させ内需を大きく押し上げる成長戦略ともなる(税制優遇によりシンガポール、香港などの都市国家に邦人所得が滞留している)。そうした政策が打ち出されれば、内外の投資家は日本のデフレ脱却に対する確信を強め、著しく割り負けしている日本株式の抜本的水準訂正が始まるだろう。2015年には日本株式が世界最高のパフォーマンスとなる可能性も十分に出てくる。以下に示すようにすでに日本企業はここ10数年でビジネスモデルの大転換を完了させ、円安進行とともに空前の企業収益を計上しつつある。政策が伴えば株高の必要十分条件が満たされることになる。

★図表11-12

★図表13

円安→企業増益が引き起す好循環

前回レポートしたように、為替決定の三大条件、①紙幣印刷速度、②貿易収支(=為替の実需給)、③実質金利(=為替の投機需給)、がすべて史上初めて円安方向のべクトルが揃っている。加えて30年間の執拗な円高の原因であった地政学(覇権国米国の国益)が円安容認にシフトした。購買力平価ベースで見れば103円/ドル前後が妥当な為替水準であるが、為替にオーバーシュートはつきものである。過去の主要国の為替変動幅は、PPP±30%がこれまでのレンジであった(1980年から2000年までの異常円高期を除いて)。となれば1ドル120円台後半までの可能性も出てくる。この円安は日本の企業業績を根底的に向上させ、株高・デフレ脱却の推進力になるだろう。これまでのところ円安が輸出数量の増加に結び付いていない。また円安がもたらすエネルギーなどの輸入品物価高が実質賃金を引き下げている。円安はデメリットとの主張は筋が通っているように見える。しかし、それらのマイナスは一時的なものであり、あらゆる点で円安は望ましい。円安でも輸出数量が伸びないのは、現在の日本の輸出品の大半が価格競争品ではないので、値下げ競争を挑んでいない、つまり円安→ドル建て輸出価格引き下げ→輸出数量増というサイクルが起こらないからと考えられる。輸出数量が増加しないこと自体、日本の輸出構造が非価格競争品(技術・品質)にシフトしていることの証明なのである。

輸出数量が伸びなくても、円安メリットは十分に存在する。海外現地法人からの円ベースでの所得が(日本からの輸入コストの低下と為替換算益により)増加し、それは所得収支の改善を通して日本の経常収支を支える。加えて円安で国内生産にメリットが出てくれば製造業の国内生産回帰、輸入業者の国内調達による輸入代替によって、国内生産は活発化しよう。国内設備投資、国内生産の動きが鈍いのは、タイムラグと円安趨勢にまだ疑心暗鬼であるためと考えられる。もっとも小回りが利く中堅、中小企業ではすでに国内投資を積み上げ始めている。円安による輸入物価高で一時的に実質賃金が低下するのは確かである。しかしそれは日本に賃上げを定着させるため不可避のプロセスに過ぎない。円安により企業収益が増加している以上、持続的経済拡大が実現できればいずれ賃上げが実質所得を増加させるのは間違いない。

経済と株式の展望を考える時、企業業績の持続性が決定的に大切である。それは企業業績が、雇用、賃金(ひいては消費)、企業投資、株価のすべての変化の起点だからである。そして現在の日本では円安の定着が企業増益持続のカギとなっている。2015年3月期の企業業績は1割増益と史上最高と見られているが、これは円安加速により更なる上方修正は必至である。

繰り返すが、あとは政策次第なのである。

★図表14-15

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