「リコーの環境経営とNRIの未来創発経営」

・野村総合研究所(コード4307:NRI)については、室井副社長から説明があった。NRIというと、シンクタンク、経済調査機関というイメージが強いかもしれないが、実は社員9000名を超える情報システム会社である。

・コンビニのセブンイレブンでは、日本の1.7万店舗、米国の8000店舗、カナダの500店舗、中国の200店舗など、内外を含めてそのPOSシステムの運用をNRIが全面サポートしている。国内のセブンイレブンのATM 2万台についても、NRIがその運用を担当している。

・NRIは2015年に創業50周年を迎える。ビジネスの基本は「ナビゲーション(問題発見)×ソリューション(問題解決)」にある。つまり、リサーチをして、コンサルをして、コンピュータ(IT)を実際に動かす、というビジネスを行っている会社は世界にない。極めてユニークなビジネスモデルを確立している。

・ビジネスにおいてデータが命であり、それを守るデータセンターは、東京に4つ、大阪に1つあり、逐次最近のものにしている。もう1つ重要な資産は、人材である。NRIの社員数は現在9300人であるが、毎年300人の新卒を採用している。新卒の65%は大学院卒である。極めて優秀な人材が入っている。この他に、国内では100社以上、9000人のパートナーがNRIのために働いている。また、中国では21社、5500人がNRIの仕事を分担している。中国の企業とは、日本語でやりとりができるというのが最大の強みである。インドにも子会社を作り、200~300人に増えつつある。

・2015年3月期の業績は、売上高4000億円、営業利益530億円、売上高営業利益率13.3%を目指している。1人当たり売上高5000万円、1人当たり営業利益600万円というのは、いずれも業界トップである。

・NRIの経営ビジョンは「未来創発」にある。つまり、自分たちで未来を創っていく。未来に対して大いに貢献していこう、という発想である。成長戦略としては、金融から産業へ、国内から海外へ、と事業領域を拡げていくことにある。

・大きな変化は、リーマンショック後止まっていたIT投資が動き出した点にある。アベノミクスの影響もあり、多くの企業が新しい投資をスタートさせている。金融の分野ではマイナンバーなど制度が変わっていくので、それへの対応が重要を生みだす。また、顧客がITシステムを自ら所有するのではなく、利用する形に変化しており、共同利用を提供するNRIのプラットフォームが一段と使われることになる。

・NRIは年率7%の安定かつ着実な利益成長を目指す。自社の内部成長に加えて、M&Aの効果も上乗せしていく方針である。配当性向はこれまで30%であったが、収益力が高まってきたので、これを35%に上げていく。今期の配当は従来の56円が60円となろう。

・Q&Aでは、1)それだけの顧客情報を持っていて、情報漏えいの心配はないのか。どのように手を打っているのか。これに対しては、生のデータは会社の心臓部に保管しており、何重にも防御されているので、入っていくことはできない。アクセスは全てログをとっており、情報管理は徹底している。中国でのソフト開発でも、テストデータに生のものは使わず、外部との接触はすべて遮断している。

・2)ハッカー、ウイルスに対してはどのような手を打っているのか。サイバーセキュリティについては、NRIセキュアテクノロジーという会社を持っており、すでに300人になっている。NRIの情報システムに対して、どこまで侵入していけるかというペネトレーションテストを、その部署に知らせることなく行っている。新種のウイルスやワームに対しても、新種がきたらすぐに対応するようなコンソーシアムを作っている。

・3)銀行のシステムではNTTデータなどが強いときくが、NRIはどのようにつながっているのか。預金のシステムでは既存のシステム会社が強いが、銀行が新しく始めた投資信託では、NRIのシステムが105の銀行に入っている。つまり、銀行でも新規の金融証券ビジネスには大いにチャンスがある。

・4)顧客によってシステムが違うと思うが、どのように対応しているのか。マルチベンダー環境に対応できるというのが、NRIの強みである。共同利用についても、一定の標準化を行っているので、このプラットフォームに乗ってもらうことで、全体のつながりを効率化している。

・5)グローバル化するというが、海外ビジネスはなかなか伸びていない。今後はどう展開するのか。コンサルの売上比率は全体の6.6%に留まる。ウエイトは小さいが、このコンサルの海外比率はすでに30%になっている。ITソリューションについては、海外において日本流は無理である。海外流を入れていく必要があり、その足場作りに力を入れていく。3年はかかるとみている。

・以上のように、リコーとNRIのプレゼンはいずれも優れていた。参加した個人投資家の質問も的を射ていた。60分のうち40分がプレゼン、20分がQ&Aであった。妥当な配分であろう。プレゼンの内容に関するベルレーティング法による評価は、12点満点中リコーが9点、NRIが10点という評価であった。今後の経営展開に注目したい。

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