所得急増計画を!

・インフレ政策:持たざる者の悲劇

政府の経済政策はインフレ政策だが、インフレ率が名目成長率を上回ると、実質成長率は減少する。また、所得の上昇率が、消費者物価の上昇率を下回れば、国民の可処分所得は減少し、経済成長を阻害する。なによりも、生活費が圧迫される。

あらゆる経済政策は富の移転を伴う。増税しての景気刺激策では、政府の意向に沿って富を吸い上げ、政府の意向に沿って分配する。どんな政策でも、それなりの不公平感を伴うことになる。消費増税では、すべての国民から薄く富を吸い上げることになる。

インフレ政策では、モノや資産の価格が上がるので、生産に関わらない人や、資産を持たない人は、取られ損となる。薄く取られても、ぎりぎりの生活をしていた人たちには死活問題ともなる。特に消費増税と組み合わされたインフレ政策は、経済的弱者を直撃する。

ある程度、資産を持つ人は、価格上昇が期待できるものに資産を移すことが、インフレ政策から身を守る手段となる。何もない人々には、インフレ政策は極めて厳しい政治だ。

・所得倍増計画

アベノミクスの基本はインフレ政策だ。構造改革も掲げているが、今のところは、インフレだけしか見えない。そのインフレも、増税分がほとんどで、後は資産インフレだ。その点では、株式を持つのが身を守るのに最も有効だと見ている。

米国が現在採っている経済政策の基本は雇用対策だ。雇用対策は所得増による景気浮揚効果を持つと同時に、失業保険などの社会保障費を押し下げる。歳入、歳出の両面から財政健全化に繋がるので、私は経済政策の王道だと見ている。何よりも、多くの人々の生活の質が向上する。

今の若い方々は、日本にも所得倍増計画と呼ばれた経済政策があったことを知らないかもしれない。1960年7月に誕生した池田隼人内閣は10年間で月給を2倍に引き上げるとし、64年のオリンピックを前にした公共投資を軸に、年率7.2%の経済成長を計画した。計画期間の1961年から70年の間の経済成長の実績は年率10.9%となり、国民1人当りの消費支出は10年で2.3倍となった。

これだけの経済成長が可能となった背景には、戦後の復興期からの継続成長、人口増、消費文化の浸透、冷戦構造下での米国の後押しなど、現在では望めない好環境があったことは否めない。しかし、この規模の成長を達成した他国の環境と比較すると、高成長に決定的な要因が見えてくる。当時、「一億総中流」と呼ばれたような、中間層の成長だ。

10年で所得が倍増するような経済成長は、中間層の成長によってのみ達成されるかと思う。欧米先進国の成長が鈍っているのは、所得格差の拡大により、中間層の没落が始まっているからだ。米国の雇用政策は今のところは機能しているが、社会の大多数を占める層の復活なしには、経済基盤は脆弱なままだといえる。

アベノミクスが本当に機能しているかどうかは分からない。しかし、増税とインフレ政策の組み合わせでは、景気が上向くとは思えない。つまるところ、円安に救われているだけなのだ。

アベノミクスが、景気回復や国民の生活向上が狙いなのなら、デフレ対策や、インフレ政策などといった訳の分からない政策を謳わず、はっきりと景気浮揚策、あるいは所得急増計画と謳った方が良い。そうすれば、何を優先すべきなのかがしっかりと見えてくるかと思う。

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