ミャンマー 人口修正で最貧国を卒業できるか‐国勢調査の結果(暫定)による分析‐

2、日系企業の進出に影響出るか

人口が1000万人減となり、経済規模が564億㌦から492億㌦に下方修正される。今回の国勢調査の結果を受けて、ミャンマー進出をめざす日系企業に影響が出るであろうか。

 良質で安価な労働力をめざしてミャンマー進出を計画してきた企業には、影響はないであろう。推計人口が修正されただけのことであって、豊富な労働力の存在という実態には変わりはないからである。チャイナ・プラスワンとして生産拠点をミャンマーに移し、世界に向けて輸出する企業計画には変更の必要はないであろう。

 しかし、ミャンマーの“国内需要”を狙って進出を計画している企業にとっては、人口の減少、経済規模の下方修正(見方の修正)は、進出計画に影響が出てもおかしくはない。ただし、ミャンマーがこれから発展する新興市場であることには変わりはない。この点を忘れずに再検討が行われるべきであろう。
 

3、最貧国を卒業できるか

 ミャンマーは従来、ASEAN最貧と呼ばれてきた。新推計では1人当たりGDPが957㌦(2013年)になったが、「最貧国」を卒業できるであろうか。

 国連の定義によれば、後発開発途上国(Least Developed Country)の定義は以下のとおりである(外務省ホームページによる)。LDCは「最貧国」とも呼ばれている。

 基準(2012年) 以下3つの基準を満たした国がLDCと認定される。ただし、当該国の同意が前提となる。
 (1)一人あたりGNI(2008-2010年平均):992米ドル以下
 (2)HAI(Human Assets Index):人的資源開発の程度を表すためにCDPが設定した指標で、栄養不足人口の割合、5歳以下乳幼児死亡率、中等教育就学率、成人識字率を指標化したもの。
 (3)EVI(Economic Vulnerability Index):外的ショックからの経済的脆弱性を表すためにCDPが設定した指標。

 2014年7月現在、世界の最貧国は48か国ある(うちアジア9か国)。ミャンマーはカンボジア、ラオス、バングラデシュ等々とともに、最貧国に認定されている。今回の国勢調査で人口が修正され、それに伴い一人当たりGDPが957㌦に上方修正されても、残念ながら、まだ「最貧国」を卒業できない。卒業にはあと数年かかるであろう。

 ASEAN諸国の中での位置づけはどうか。従来、ミャンマーは「ASEAN最貧」と言われ、カンボジア、ラオスと肩を並べてきたが、カンボジアの2013年の1人当たりGDPは1016㌦であり(IMF推計。ADB推計では950㌦)、残念ながら、まだミャンマーはASEANでも一番低所得の国である(注、ラオスについては信頼できるGDP値は得られない)。ただし、「最貧国」3か国は拮抗しているので、ミャンマーが民主化と政治安定が続けば、最下位からの脱却の日は近いであろう。

1 2

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> その他> ミャンマー 人口修正で最貧国を卒業できるか‐国勢調査の結果(暫定)による分析‐