欧州民族主義の台頭

・ウクライナの民族問題

ウクライナ問題は、ロシアによるクリミア併合が原因かのように思っている人がいるが、こちらも基本的には民族問題だ。

親ロシア的と見なされていた前政権が、反ロシア的(ロシアを仮想敵国とするNATO寄り)勢力による武力クーデターで倒されたことにより、ロシア系住民が大半を占めるクリミアで、スコットランドのような住民投票が行われた。

ロシア系住民はロシアへの帰属を望み、クリミアに軍事基地を持つロシアはそれを承認した。ロシア系住民は異民族の小国に留まるより、同民族の大国を選んだのだ。NATO側はその住民投票を違法だとするが、ロシア側は選挙で選ばれていないウクライナ政府こそが違法だとした。

ソ連邦の崩壊により、ウクライナは大国から小国となった。ソ連は国連の常任理事国で、以前は世界の陣営を2分するほどの大国だった。崩壊後、ロシアも没落したが、それでも拒否権を持つ国連の常任理事国に留まり、BRICSとしても注目された。近年でも、中東情勢ではロシアの拒否権が何度も発動された。

ウクライナはバルト三国とは違う。バルト三国は北欧に近く、ソ連が支配していた国々だ。崩壊でNATO寄りとなったのは理解できる。一方のウクライナはブレジネフ書記長を出したことでも分かるように、ロシア、ベラルーシ(白ロシア)と共に、ソ連邦の中核だった。言語的にもバルト三国は北欧系だが、ロシア、ベラルーシ、ウクライナの言葉は同じスラブ系で、方言ほどにしか違わない。ちなみに、ベラは白、ルーシはロシアだ。

ソ連邦の崩壊で、ウクライナは国際的な発言力はおろか、経済的に自立すらできない小国となった。とはいえ、ロシアに寄り添うことは、影の薄い存在のままでいることになり、民族のプライドが許さない。そこで武力に訴えて、前の親ロシア的な政権を倒すことで、ロシアからの自立を図ったとも考えられる。

しかし、ウクライナ国内には、以前「婚姻関係」にあったロシア系住民が多数居住しており、ロシアを仮想敵国とするNATOに加わることには強い抵抗を示すことになる。ウクライナは、以前のようなロシアと対等の立場に戻ることも、ロシアを完全に切り離すことも、どちらもできない難しい立場にいる。可能性としては、ロシア系住民の多い東部ウクライナを分離すれば民族問題は収まるかも知れないが、経済的に豊かな東部がなくなれば、ウクライナ人の西部は更に困窮してしまう。そうなれば、もはやNATOにとってもお荷物でしかない。

NATO側は、ロシアのプーチン大統領をヒットラーとまで例えて非難するが、プーチン大統領の立場で考えると、ウクライナに多数のロシア人を人質に取られているようなもので、見捨てることもできない苦しい立場にいるかと思う。

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