ミャンマー国勢調査の結果(暫定)

(3)地域別の面積と人口密度

 一番広大な地域はシャン州である。次いで、北西部のザガイン管区、北部のカチン州が大きい。しかし、これらの地域は人口密度は低い。1平方km当たり人口はカチン州19人、シャン州38人である(表2参照)。
 ちなみに、日本の人口密度は全国平均343人である。ミャンマーの76人に匹敵するのは北海道70人、岩手県87人、秋田県93人である(2010年国勢調査)。

(4)都市化率と人口密度

 図1に示すように、都市化率の一番高いのはヤンゴンである(70.1%)。ヤンゴンは人口も736万人と多くので、世界の大都市のイメージそのものである。人口が集中しており、企業の市場戦略がしやすい地域であろう。マンダレーは人口はヤンゴンに次ぎ615万人と多いが、面積がヤンゴンの3倍もあり、都市化率は34.8%である。

図1 地域別の都市化率
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 カチン州の都市化率が高い(35.9%)。一方、カチン州は人口密度が低い(19人)。カチン州は中国と国境を接するミャンマー最北の地で、高い山岳地帯が後背地である。まだ訪問したことはないが、州都に一極集中した地域構造をなしているのではないか。米国の中西部の都市と農村を想起させられる。マーケティングがしやすいかもしれない。

 (注)東京は山手線の内側も中層ビルが多く、郊外にもそれが広がっている。これに対し、米国の中西部は広大な面積がありながら、中心部に超高層ビルが建ち、裾野は人口がまだらに広がっている。インフラ整備の効率化が行われているからであろう。国土の7割が山岳地帯である「森の国」ラオスも、人口の多くは山間地に分散居住し、首都ビエンチャンへの一極集中はない。カチン州の都市化率の高さは興味深い。

 カチン州の対極にあるのが南部デルタ地帯にあるエーヤワディ管区である。人口密度は高いが(176人)、都市化率が低い(14.1%)。これは平地の村々に分散居住している姿だ。
 この都市化率と人口密度指標を組み合わせると、地域の特徴が分かり、政府政策の策定や企業のマーケティングに有益な情報が引き出せそうだ。

表3 都市化率と人口密度(地域別)
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(5)世帯当たり人員

 1世帯当たり人員は、全国平均4.4人である。日本は2.4人(2010年、一般世帯)である。1960年の日本の1世帯当たり人員は4.54であり(普通世帯)、ミャンマーは50年前の日本の状況である。
 地域別に見ると、世帯人員の多いのはカチン州(5.1人)、チン州(5.1人)、シャン州(4.7人)である。これに対し、バゴー、マグウェ、マンダレー、ヤンゴンは4.1~4.4と低い。

※ Summary of the Provisional Resultsで明らかにされている内容は上記の
程度である。今回の国勢調査は、民族間の人口構成比が明らかになれば、民族間の対立をあおるのではないかとの懸念も出されてきたが、今回の(暫定)概要版にはこうした問題を判断できる材料はない。また、「出生率の低下」の原因を分析し今後の人口対策に資するための情報もない。2015年5月の最終報告を待ちたい。

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