平和と貿易の関係 ‐日本の輸出減少についての一考察‐

2、中国向け輸出8兆5000億円減少

 中国は、日本にとって最大の貿易相手国になっている。貿易総額で見ると、日米貿易は2022億㌦、日中貿易は3099億㌦である(2013年)。輸出額も、米国の景気回復で2013年は米中が肩を並べたが、2010年の対中輸出は1485億㌦(対米1178億㌦)、2011年対中1613億㌦(対米1253億㌦)、2012年対中1446億㌦(対米1405億㌦)と、日本にとって中国は最大の輸出先である。

 ところが、その中国向けの輸出が伸びなくなった。というか、むしろマイナスになってきたのである。中国向け輸出は、2011年1613億㌦をピークに、12年1446億㌦、13年1300億㌦と減少した(財務省「貿易統計」による。ドル換算は税関長公示レートによる)。なお、2014年上期は下げ止まりが見られる。

図2 日本の中国向け輸出の推移
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図3 中国市場における各国シェアの推移
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 中国経済が調整期にあるため、中国向け輸出が伸びないという訳ではない。なぜなら、独り日本だけ落ち込んでいるからだ。図3に示すように、米国も、韓国も、ドイツも、ほとんど横ばいで推移している。中国市場で、独り日本だけ沈んでいるのだ。中国の輸入総額に占める日本のシェアは、2000年には18.4%もあったが(1995年は22%)、2010年には12.6%、2013年8.3%と低下した(2014年1~6月は8.1%)。日中関係が冷え切った最近2、3年のシェア低下が激しい。

 中国の輸入総額は、調整期にあるとはいえ、2011年25.0%増、12年4.3%増、13年7.3%増と増加している。中国向け輸出が減るという日本の貿易は、尋常な姿ではない。米独韓のようにシェアさえ維持できていれば、中国向け輸出は増えるはずである。

 仮に、2010年のシェア(12.63%)で推移した場合、2013年の日本の中国向け輸出額は2463億㌦と試算される。しかし、実際は1621億㌦であった(中国の日本からの輸入額)。この差は842億㌦(8兆5000億円)に上がる。2013年ベースで、年率8兆5000億円もの減少である。中国向け輸出が振るわないため、公共事業費を上回る規模の有効需要が消えたのである。

表1 中国市場における日本のシェア低下
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 中国向け輸出の減少は、日本の年間の公共事業費を上回っている。公共事業がそっくりなくなれば大不況は必至であるから、その輸出減少を補うために、政府は財政金融政策を総動員しているのであろうか。逆に言うと、これほど大規模な輸出減少がないならば、いまのような財政金融政策の総動員はなくても済むのかもしれない。日中の政治的関係の悪化が、将来世代の負担を増やしかねない財政金融政策につながっている。

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