「アベノミクスの第3の矢~本命の1つは資本効率の向上」

・2つ目は、会社をA、B、C、Dと、自らの考えで、企業レーティングしてみよう。企業の善し悪しをイメージし、軸を定めて、どうしたらCからBへ、BからAに上げられるかを議論してみよう。レーティングの評価軸を定め、その評点を検討する。正しいかどうかではなく、論点を明確にした上で、内容を検討することが重要である。

・3つ目は、1)3年平均のROEが8%以下の会社は、なぜそうなのか、どうしたら8%以上に上げられるかを議論しよう。2)8%を超えている企業は10%以上に上げることを検討しよう。3)10%以上の企業は15%以上に定着させるための経営について構想し、戦略を練っていく。ROE8%以上が日本標準、15%以上が世界標準(グローバルスタンダード)であると認識してほしい。逆に8%以下は、資本コストから見て実質的な赤字企業である可能性が高く、企業価値創造企業として恥ずべき存在であると考える必要があろう。そういう認識が定着すれば、8%以上へ何としてもダッシュすることになろう。日本の多くの企業はその力をもっているので、成果は目に見えてこよう。

・4つ目は、配当性向を現在の30%ではなく、50%に上げよう。日本企業の横並び意識と財務戦略の不明確さを正すには、もっと配当を上げて、株主還元を進めることを想定する。総還元性向でもよいが、まずは配当を上げたら何が起きるかを考えてみると、別の姿がみえてくる。効果は3つほど考えられる。1)増配は株主にとってありがたいことであり、投資家層の拡大につながる。2)配当を上げるには、もっと収益性を高めようというインセンティブが働く。そして、3)過剰な内部留保を避けるので、必要な時にはエクィティ・ファイナンスを行うという機動力が高まってくる。

・5つ目は、短期、中期の従来型業績予想の開示を止めて、本当に大事にしたいKPI(重要経営指標)の開示に絞ることである。売上高、営業利益、経常利益ではなく、自らの価値創造にとって重要なKPIを設定し、それについて議論していくことが重要である。KPIは多様でよい。マネジメントは、自ら定めるKPIについて、投資家とよく議論をして、コミットしてほしい。コミットするからには、責任も問われる。

・6つ目は、統合レポート(Integrated Report)を充実させ、IRの場ではこの総合レポートに盛り込むような内容についてプレゼンをし、Q&Aを行っていくようにしてほしい。株主総会はもちろん、機関投資家説明会や個人投資家説明会でも、望ましいIRとは何かを考え、互いの自己主張をぶつけ合う必要があろう。最初はギクシャクするかもしれないが、次第にこなれてくるものと期待される。

・最後に、制度としてCSA(コミッション・シェアリング・アレンジメント)を実現すべきである。最良執行と調査をわけて、よい調査(リサーチ)にフィーを払いやすくする。これによって、機関投資家とセルサイドアナリストの役割がより充実され、独立系のアナリストも含めて、よいリサーチの出番が増えよう。質の高いレポートに対する競争が、対話の促進をサポートすることになるからである。

・これらのことが実践されれば、日本の資本市場の効率は高まり、世界の投資家を一段と引き付け、企業価値創造のリターンが国力の向上に大きく貢献しよう。策は見えている。2020年に向けて、それぞれの立場で大いに邁進したい。

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

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