「失われた20年」ではなく「モデル転換の20年」~過去最高企業利益の真因~

従って円高を所与のものとすれば、当時の日本の正しい処方箋は、以下の3つであることは明白であった。A労働生産性を引き上げて高賃金負担を吸収すること、B企業のリストラ・効率化と流通改革、C規制緩和と競争促進による市場価格の引き下げ当時私が勤務していた大和総研はもとより、政府もオピニオンリーダーもメディアもこぞ上述の3点の実施を求めてきたのである。

★図表2-3

日本の高物価は完全に是正された

さて、その18年後の総括はどうであったか。マクロの動きを示す日本の購買力平価は一貫して上昇し、1990年代前半の1ドル200円から2009年には1ドル115円と、対ドルでほぼ2倍となったことは、前回レポートで述べた通りである。日本の高物価・高コスト構造は大きく改善されたのである。品目別の動きを見ると、1993年当時米国比で1.5~2倍以上であった公共料金の価格差は全く無くなった。航空運賃や地下鉄料金、電話通信料金は、むしろ日本の方が安くなった。2倍以上開いていた電力の価格差もほぼ無くなった。価格差が2~11倍と極端な物価高であった食料品も、小麦で11倍から1.3倍へ、ビールで2.5倍から1.2倍へと接近してきた。食品価格差のメルクマールとなっているマクドナルドのビックマックは日本の方が米国(ワシントンDC)よりも15%安くなっている。アパレルもユニクロなどの商品価格は米国よりも相当安価である(日本の直近データは主として国際金融情報センター「各国の物価水準(日本の物価との比較)」2009年9月29日による)。

単位労働コストの低下

それではこの価格低下はどのようにして実現したのだろうか、上述①~③それぞれについて見てみよう。①の円高による人件費高に関しては、生産性向上と賃金低下により見事に達成したと言ってよいであろう。図表4に見るように、日本企業は主要国を上回る生産性の上昇を実現しながら、賃金を大きく抑制してきたために、単位労働コストは、先進国の中では唯一、顕著に下落したのである。

★図表4

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