「失われた20年」ではなく「モデル転換の20年」~過去最高企業利益の真因~

努力が報われない当時の日本の価値創造モデル

当時のソニー会長で経団連副会長の盛田昭夫氏は「日本的経営が危ない」(1992年)いう論文を文芸春秋に寄稿し、絶望的現実を吐露した。要点は以下のようなものである。『日本企業は国内で横並び一線の熾烈な競争を行っている。そこではシェア拡大が至上命令となり、そのためにまず低販売価格が設定され、その価格でやっていけるように適正な利益やコストが効率の犠牲となって削られている。効率の犠牲になっているものには、長時間労働、低労働分配率、低配当性向、部品メーカーへのしわ寄せ、地域社会への貢献の消極性、環境保護・省資源対策の不十分さなどがある。これに対して欧米企業は、製品の市場ごとの棲み分けが比較的明確であり、競争もそれほど激しくなく、販売価格には適正な利益や必要なコストが含まれている。欧米から見れば異質なやり方・経営理念をそのまま海外に適用し、世界市場で競争を続ける日本企業に対する欧米企業の我慢はもはや限界に近づいている。日本企業に求められているのは、欧米企業と整合性のあるルールの上でのフェアな競争であり、効率の犠牲となっている諸点を十分に考慮した価格設定である。ただしこれは理想であり、現在の状況でどこか一企業が抜本的改革をすれば、その企業はたちまち経営難に陥る。当面は企業が手を付けられるところから始めるべきである。例えば、従業員が連続休暇をとれるフレックス・ホリデー、学歴不問の採用制度、頻繁なモデルチェンジの見直しなどである。』

★図表3-4

★図表5

一見輸出比率低い、が価値創造は輸出が一手に担う

日本の輸出の対GDP比率はごく小さい故、「失業の輸出」という日本のビジネスモデルが見えにくくなっていた。図表6に見る日本の輸出比率は一貫して10~15%と他国に比し著しく低かった。また図表7に示す輸出主体の製造業の国内経済に占める割合は、1990年時点でも30%以下と低かった。しかし他方で、企業による価値創造は圧倒的に製造業によって担われ続けた。1990年時点で上場企業利益の半数は輸出で稼ぐ製造業。株式時価総額では輸出主体の製造業が半分の比重を占め続けた。当時の日本は「価値創造と需要創造のかい離」という根本的矛盾を抱え、その表れが巨額の経常黒字であったと言える。

★図表6-7

★図表8

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