しがらみにとらわれず個性を徹底追及する会社

・松井証券は2018年に創業100周年を迎える。松井社長はトップになって以来、会社の規模を徹底的に小さくすることを考えてきた。少数精鋭化である。現在の従業員数は120名である。社長は1人当たりの指標にこだわっており、2014年3月期の1人当たり純利益は1億円を超えた。採用は年5人と少ない。人を絞って、収穫逓減の法則に陥らないようにしている。つまり、やればできそうなビジネスでも、独自の強みが確立できず、もうからないビジネスには出ていかないということである。

・トップの役割は何か。それは次の変化を見据えて、先手を打っていくことである。時代とのギャップが広がると、不要なコストが顕在化し、会社は潰れる。コストは社長がコントロールできる。最も大事なことは、誰を社長にするかというコーポレート・ガバナンスである。社長の成績は数字である。KPIが達成できなかったならば身を引くべきという。

・では、どういう会社がいい会社か。それは、“人間味のある会社”であると、松井社長は述べる。組織が人間に近い、ファジーでフレキシブルな会社がよい。100年前に起きた資本と労働の分離ではなく、これからは資本と労働の新しい融合が起きるのではないかと強調する。今は資本主義の弱さがみえている。次の変化は何か。これを考えていかないと社長は務まらない。この「資本と労働の融合」、新しい企業価値を生み出す面白い会社の条件として注目したい。

・常に松井証券でしかできない仕組み、サービスを考えている。最近注目されている1日信用取引やプレミアム空売りサービスは、プロの個人投資家のニーズに応えており、なかなか真似できないものである。既存のビジネスで収益の柱を作っていると、自らのビジネスモデルを壊すような新しいことはできないので、他社は参入しにくい。かつて、証券のインターネット取引に一気に舵を切ったのも、既存のビジネスへのしがらみがなかったからともいえる。

・デフレの時代が終わってインフレの時代が来れば、1600兆円の個人金融資産が預金から株式へ本格的に動き出す。その時に投資信託は重要な商品であるが、今の仕組みが顧客にとって本当に価値あるものか。もっと新しい仕組みがありうるかもしれない。今投信ビジネスをやっていないが故に、しがらみなく大きな構造変化に挑戦できるチャンスが来ると、松井社長は認識している。

・2014年3月期のROEは20%であった。アベノミクス相場の効果があったので、この高いROEを維持するのは難しいが、松井社長は相場変動の中でも、ROEの向上は常に意識している。今のビジネスモデルで、大型の投資はいらない。投資にあたっても、内部留保の資本コストは高すぎると判断し、利益の大半は株主へ返している。配当性向は80%近い。資本コストを明確に意識した経営を実践している。松井証券の株主になって、激動する金融界の勝者を追っていくのも面白いと思う。

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