日本株が反発に転ずる理由 ②~消費税増税の吸収順調、デフレ脱却の公算大~

サービスデフレが日本のサービス産業を損なう
労働者とともにデフレの被害者だったのは、国内サービス産業である。本レポート末尾の図表13に主要国の項目別物価推移を示したが、日本のデフレが内需サービス分野におけるものであることが明白である。衣料、エレクトロニクス製品、自動車などの新興国生産の製造業製品価格は、世界共通で下落している。また技術革新による通信料金などの価格下落も世界共通である。日本のみで価格下落が起こってきたのは全てサービス分野なのである。

サービス価格の下落が日本のサービス産業収益を蝕んだ。それは以下の理由による。サービス産業と製造業では生産性の上昇率に著しい格差がある。この生産性格差にもかかわらず、サービス業も製造業並みに賃金を引き上げ収益を確保するためには、販売価格の上昇が不可欠である。生産性の伸びが低いからと言って社会的に重要度が低いわけではない。むしろ生活水準の向上によりサービス需要は高まっている。そして高まる需要に対応して、サービス業が最大の雇用創造分野となっている。先進国の新規雇用増は全てサービス分野が中心である。そのサービス分野で十分な雇用を確保するためには、サービス価格の引き上げによる製造業並みの賃金引き上げが必要なのである。つまり生産性上昇率格差見合いのサービス価格上昇が、必要なのである(生産性上昇率格差インフレ論を参照)。日本ではサービス価格が下落したために、サービス産業の収益が悪化し、賃金が下落し、サービス産業の雇用創造が欧米に比べて著しく遅れたのである。

低価格故に低生産性の日本サービス業、デフレ脱却で高生産性に
日本のサービス産業の生産性が低いという論評が多い。それは日本のサービス価格の下落、割安さから来ていると思われる。図表10に見るように日本のサービス品質は世界でも高水準である。にもかかわらず価格が伴わず、付加価値が低いので、生産性が低いということになってしまう。デフレが製造業よりもむしろサービス業を痛めつけている事実は、図表11、12の法人企業統計から明らかである。雇用を減らしている製造業の賃金下落は小幅で、雇用を増加させてきた非製造業の賃金下落が大きく、両者の賃金格差は拡大している。国内雇用を減らしつつもグローバル展開(海外生産・海外販売)してきた製造業は国内のデフレの悪影響を軽減できたが、デフレによる売価下落を海外生産や機械化によるコスト削減などで迂回する余地のなかった非製造業は、デフレによる賃下げとマージン低下を余儀なくされたと言える。
図表10には日米のサービスのコストパフォーマンス比較も示すが、日本のコストパフォーマンスがかなり高いことが分かろう(この調査は2008年12月の1ドル=90円の時点で実施されており、現在レートでは日本のコストパフォーマンスはさらに10%程度改善される)。それは日本サービス価格引き上げの余地が大きいことを示唆する。また観光業などサービス輸出の増加余地を示唆している。

以上をまとめれば、①日本のデフレ脱却とはサービス価格の上昇を意味すること、②サービス価格上昇はサービス産業の雇用と利益を大きく押し上げることであるが、その兆しはすでに表れている、といえる。

★図表9

★図表10

★図表11-12

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