中国経済に危機は訪れるか?

・中国は通貨高に耐えられるか?

私は中国経済の躍進を奇跡でも何でもないと思っている。同様に、1991年までの米ソ冷戦構造下での日本経済の躍進も奇跡ではなかったと見ている。構造的な後押し要因があったものを、奇跡などと呼んでいると、その後の合理的な判断が阻害されるかと思う。いたずらに自信過剰になったり、必要以上に自信喪失するのはその為だ。

奇跡と言えば、1997年までのASEAN経済の躍進も、奇跡と呼ばれたことがあったように思う。しかし、ドルリンクで、ドル安と共に成長した経済が、ドルの反転に振り落とされたところを見ると、それまでの成長はドルペッグ制による構造的な後押しがあったと見るべきだろう。
参照:アジア通貨危機の教訓 ー上ー
http://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/lessons-of-the-asian-currency-crisis/
参照:アジア通貨危機の教訓 ー下ー
http://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/lessons-of-the-asian-currency-crisis-2/

世界の貿易総額は史上最大だった2008年の16兆1590億ドルから、リーマンショック後の2009年には12兆5540億ドルに急減した。しかし、すぐに持ち直し、2010年には15兆3000億ドル、2011年は18兆3270億ドルと史上最大を更新、以降は2012年に18兆4040億ドル、2013年に18兆7840億ドルと、ほぼ横ばいながら拡大している。
参照図:世界の貿易総額2005年~2013年(四半期ベース)
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一方、中国の貿易がおかしい。中国3月の貿易収支は77億1000万ドルの黒字だったが、輸出は前年同月比6.6%減と2カ月連続で前年水準を下回った。輸入は11.3%減。貿易額は9%減となった。2014年1~3月の輸出は前年同期比3.4%減、輸入は1.6%増だった。

中国の輸出力の鈍化が目立っている。中国は元の下落なしには、これまでの成長ペースを維持することが困難なのではないか? 過去2年間の企業収益は概ね横這っている。融資は新規投資に向けてというより、過去の膨大な利払いに充てられている。経済成長を維持するには、現状の元は15%から25%割高だとの試算もある。

2010年6月にドル・元が6.83台だったころ、中国当局は貿易通貨として中国元の使用を容認した。同じ頃に当局はそれまでの2年間、6.82~6.87台で推移していた元の上昇も容認した。元を国際通貨にしようとの試みだ。米ドルの覇権に挑戦するなどという観測もあった。

一方で、元の金利は大きく変動しているものの、主要国の金利と比べるとはるかに高い。キャリートレード定番の円やスイスフランだけでなく、リーマンショック以降は米ドルやユーロでもキャリートレードが行える。元は格好の投資先となった。米国と覇権を争うような国に、大きな信用リスクがあるとは思えないことも、後押しした。その後、元は2014年1月の6.04台まで上げ続けた。

キャリートレードがどれ位の規模かは分からないが、もし、元がここから10%~15%下落しただけでも、リーマンショック並の損失が出るとの見方もある。キャリートレードで保有していたものが、元の短期金利商品だけではなく、株式や不動産であった場合には、巻き戻しではそれらも売られてしまう。2014年1~3月期のヘッジファンドのパフォーマンスは、リーマンショック以降で最悪だったが、まだ序の口なのかもしれない。

米オバマ政権は先週、中国元レートの動向を注視していると述べた。元は「大幅に割安」状態だとし、最近の下落に懸念を表明した。とはいえ、元が上げれば中国経済は持たない。一方で、元が下げれば外国資金が逃避するだけでなく、米国が制裁を加える可能性すらでてきたのだ。

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