むさし証券 小髙富士夫代表取締役社長インタビュー

━━対面営業とネット証券。ともすると相反するビジネスを両立するのはなかなか難しく、成功している会社も少ないのが現状ですが、この点、小髙社長はどのようにお考えですか。

 当社は、日本橋にあったそしあす証券が、埼玉に地盤を持つ武蔵証券と2010年に合併し、同時に本社を大宮に移したのですが、その時に考えたのは720万人の人口と個人金融資産80兆円を有する埼玉県で地域密着型の営業を展開できるのではないかということでした。埼玉県は企業誘致にも積極的ですし、IPOの意欲も高い企業が多い。
 そうした土地柄で、お客様との信頼の輪を広げる営業展開だけでなく、福祉車両の寄付など様々な地域貢献を続けています。地道な努力が認められ、今では埼玉県の個人、法人のお客様から、高い評価をいただいています。こうした弊社のポリシーを全国の投資家の皆様に知っていただき、ぜひ利用していただきたい。これは当社が地場証券とネット証券の両方のサービスを持っているからこそできることだと思っています。
 ネット証券「トレジャーネット」は、そしあす証券時代に、「投資家の皆様に株式市場から宝物を探していただくお手伝いをしたい」という願いを名前に込めて開始したものです。地道にサービス向上に取り組んできた結果、徐々に知名度も上がり、おかげさまで現在では北海道から沖縄まで全国のお客様にお取引いただいています。

━━「トレジャーネット」の特色と言えば、低水準の委託手数料もさることながら、業界では他社を圧倒する信用取引買方金利の低さですね。

 ネット証券に進出するに当たって、やるからには先行する各社とは違う特徴を出さなければならない。ネット証券の業界では現在、委託手数料の値下げを競っている感がありますが、手数料競争の時代はもう終わったのではないか。そう考えて、打ち出したのが、信用取引の買方金利をどこよりも低く抑えることでした。
 当然、当社も手数料は他社と比較しても遜色ない水準なのですが、他社との差別化として信用取引に着目しました。信用取引では、もちろんデイトレーダーの皆様もいらっしゃいますが、やはり一般的には中長期取引の方が多数派です。そうしたお客様にとっては、手数料の安さ以上に重要になるのが信用金利なのです。
 現在、当社は信用買方金利を1.52%に設定していますが、2%から3%前後の金利を設定している各社とは比較にならない低い水準です。他社金利のおおよそ半分の金利設定によって、建玉の保有期間が長いほど大きなコストメリットが発生します。往々にして皆さん、手数料ばかりに目を向けがちですが、こと中長期の取引に関して言えば、金利の差が大きくものをいう。そうしたことにお気づきいただきたいと思います。
 このネット証券の強みと、地場証券としての対面営業の強みをいかに融合させていくかですが、私はネット取引しかしらない投資家達も、将来対面営業を必要とする時が来るのではないかと思っています。若いうちは時間も資金も限られているでしょうからネット取引でいいのでしょうが、日本人は基本的にコミュニケーションを大切にする民族ですからね。もちろん、対面営業で金融リテラシーを高めた投資家がネット取引に移るという逆のパターンもあるでしょう。
 ですが、一般の多くの方々にとって株式投資の基本はあくまでも長期投資。そう考えれば、ネットであれ対面であれ、何よりもお客様を大切に考えて接し、信頼の輪を広げていけば、どのような取引でも当社を選んでいただけるようになる。当社の社員にもいつも話していることなんですが、20年、30年と長くお客様と付き合うことの喜びを皆が持って欲しいのです。

━━営業のプロである小髙社長らしい言葉です。ネット証券全盛の現在では、ともすると「自己責任」という言葉で何事も片付けられがちですが。

 ともかく現在、我々の業界で最も必要なことは個人投資家を育てていくことなんです。一説によると現在、日本の個人投資家の比率は10%強と言われていますが、このこと自体が資本主義社会において異常なんです。その意味ではNISAはわが国の証券市場の将来を左右する一大プロジェクトだと思っています。
 幸い、アベノミクスによる景気回復、株高、円安によって個人投資家の資産が18%増えたそうですが、これからNISAを利用して投資される多くの人びとにこの成功体験を感じて欲しい。国民の株式投資への関心が高まっていると言われる現在でも、実際に株式投資を始めた人はまだ一握りで、ほとんどの人が様子見の状態です。企業業績を考えても、13年度は全体で30%の増益になる見通しですが、現在の株価はPERも低く、世界的に見ても割安の水準にあります。このような認識を多くの人びとに持ってもらえるよう、取引所も証券会社もタッグを組んで広く伝えていかなければならないのです。
 このような状況下で当社としては、NISAをきっかけとしてこれから株式投資を始めようとしている方々にはまず、投資信託をお勧めしています。ネット証券であっても、短期売買を促すのではなく、やはり中長期の投資家ニーズも重視したいからです。
 「トレジャーネット」は、これまで過度な手数料競争やキャンペーンによる集客に走ることなく、堅実にほふく前進しながらやってきましたが、ようやく多くの方々に認知され、そろそろシステムの拡充など、一段上を目指した投資ができる段階に入ってきました。これまで地道に努力してきた「トレジャーネット」の第2章が始まる、と考えています。
 当社では、今年に入り、NISA向けの投信のラインアップ強化や投資信託の選択をし易くするために投信ページを刷新しました。ネット取引で投資してもらうことも視野に入れ、総合証券大手だけの独占状態の投信市場に一石を投じたい。そうして、「NISAで得したよ」という経験を、多くの人に持っていただけるよう努力したいと考えています。

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