クリミアが投げかける少数民族問題

・上記の事実関係における疑問点

1、ヤツェニュク首相はウクライナの正当な代表なのか?

ウクライナ暫定政権は、過激デモによるクーデタでできた政権だ。議会は承認したが、ウクライナでは、まだ住民投票も行われていない。この政権をなし崩し的に正当だと認めることは、悪しき前例をつくることにはならないか?

2、クリミアでの住民投票は果たして違法なのか?

クリミア自治共和国議会は、ウクライナ議会に倣って、時の政権を武装勢力によって追放した。しかし、そのことの是非を住民投票によって問うことを決めた。住民投票はウクライナ憲法に違反するとされているが、G7とEUの首脳は住民投票は民主主義に反すると見なしているのか?

ユーロ圏の諸国はユーロの参加について住民投票を行い、多くの国は僅差で参加を決め、英国は僅差で不参加を決めた。結果として、ユーロ圏の諸国は自国の事情に応じた金融政策を失い、サブプライムショック、リーマンショック時に各国経済の明暗が分かれた。それでも、住民投票で決めたことは絶対だった。

ウクライナ、クリミアでの住民投票を禁じる法律があるとすれば、そのことの方を問題視すべきではないか?

3、「威嚇的なロシア軍の存在を踏まえれば道徳的効力を持たない」ので無効とあるが、一方の欧米は威嚇していないのか?

また、ウクライナの幾分ロシア寄りだった前政権が武力で追放されたとなると、クリミアのロシア人が不安に感じるのは自然な成り行きだといえる。また、ロシアによるクリミアのウクライナへの割譲のいきさつや、現在も大半の住民がロシア人であることを鑑みると、ロシアがクリミアの住民投票を支援することは自然ではないのか?

・少数民族問題

クリミア問題が複雑なのは、少数民族問題を含むので、自国に少数民族を抱える諸国がその対応に慎重にならざるをえないことだ。

ウクライナの人口約4500万人のうち、約8割はウクライナ人で、ロシア人は約2割を占める。つまり、ここではロシア人が少数民族だ。

一方、クリミア自治共和国に限っては人口の6割がロシア人、ウクライナ人は2割強でしかない。つまり、ここではウクライナ人が少数民族だ。これは、1954年にソ連政府がクリミアをロシアからウクライナに帰属替えさせたことに由来する。

中国が自国内の少数民族が多数を占める地域で、独立の是非を問う住民投票を違法とするのは分かる。もし、そんなことをすれば、チベット族やウイグル族などが独立してしまう可能性が高いからだ。

しかし、そのことで中国を非難する欧米が、非合法な手段で前大統領を追放したウクライナ暫定政権を支持し、同じ手段を用いたクリミアを非難し、最も民主主義的な手段だとされる住民投票を阻止しようと圧力をかけることに「義」があるだろうか? それとも、自国内に少数民族を抱える欧州諸国の本音が出ているのだろうか?

ウクライナ問題の難しさは、経済問題、民族問題、そこに付込み、内政干渉しようとする各国のエゴが絡んでいるからだ。ウクライナとロシアの関係は複雑で深い。欧米の干渉には義がなく、ウクライナをロシアから引き離しても、得られるものは少ない。真の目的がロシア潰しだとすれば、ロシアは本気で反撃する。

欧米ロシアは、クリミア、ウクライナで行われる住民投票の結果を尊重すべきかと思う。住民がその意思を示すのに、「住民投票よりも流血デモ」などということが正当化できるはずがない。

1 2

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> その他> クリミアが投げかける少数民族問題