2014年3月3日時点での主要市場見通し

・こうした現金の使い道が重視されているのは、それが資産全体の効率的な使い方につながり、ひいては経営全体の積極化の象徴となるからだ。これは、ROE(自己資本利益率)の上昇をもたらすだろう。ここで注意したいのは、外国人投資家は、ROEがすでに高い企業に投資しよう、ということではなく、これからROEが大いに高まる企業に投資しよう、という姿勢であることだ。言い方を変えれば、現在JPX400指数に採用されている銘柄ではなく、これから採用されるような銘柄に投資しよう、という考え方だ。
・資産の使い道に限らず、広い意味でのリストラの進展に対する評価の好悪は、株価に如実に表れている。(図2)は、家電主要3社の株価の推移であるが、米系投資家の多くが、パナソニックの経営改革を高く評価する(プラズマテレビの生産を打ち切るなど、後ろ向きのリストラにまい進する一方、電気自動車大手の米テスラ社と電池の合弁会社を設立するなど、前向きな改革も推し進めている、との好評価)のに対し、ソニーやシャープについてはまだ疑念を持っている、という状況と符合する。

(図2)
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注)(図2)およびそれに付随する解説は、特定の銘柄の売買を推奨するものではなく、日本企業の経営改革の進展度合いとそれに対する株価の動きの関係といった、一般的な市場現象を説明するためのものである。

・実は、米ドル円相場が輸出に与える効果に対する、世間の評価の変化に、日本企業の改革の消極さに対する投資家の見解がじわじわと表れ始めているように考えられる。
・一時は、日本の輸出企業が苦しんだのは円高であったからで、ほかに悪いところは全くない、円安になりさえすれば輸出企業の問題は万事解決、といったような、信じがたい暴論が横行していた。外国人投資家の間では、「そんなことを信じているやつがいるのか」と酷評されていた。というのは、特に日本の家電産業を中心に輸出企業が苦境に陥ったのは、売れるモノづくりができなくなったから、という評価が、海外では「定説」であったからだ。特に新興国市場で、韓国や台湾企業に打ち負けたのは、不要な機能がついていて高価格の製品はいらない、という現地の事情を十分に汲んでいなかったと言える。また一時はアップルの製品に劣後したのは、先進国のハイテク市場においても、日本企業が魅力ある製品を打ち出す力を失ったからと考えられる。
・「円高で万事解決」説が広まったのは、個々の日本企業の国際競争力改善の遅れに目をつぶりたい、という心理と、前述のマクロ経済政策待望論の両方が、あいまったためと解釈することもできるだろう。
・しかし最近は、円安に対する期待よりも、失望、不安の方が徐々に力を得ているように思われる。それをもたらした一番の要因は、円安により外貨建て輸出の円換算額の水ぶくれが生じ輸出金額が伸びても、輸出数量指数の改善が遅れていることだろう(図3)。

(図3)
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・輸出数量指数の前年比も、徐々に強含んではいるため、余り悲観視する必要はないだろうが、これも日本企業の輸出競争力の回復というより、海外景気の改善に伴う需要増という側面が強いように思われる。
・このように、円安による輸出数量増の期待の剥落や、それが日本株に影を落としている状況を踏まえると、これも一種の日本企業の経営改革の遅れに対する厳しい目、すなわち「内憂」の一つであると解釈できる。

・海外の波乱要因といった「外患」が薄れた時こそ、株式市場における「内憂」が露わになり、投資家も企業も、本来の問題にきちんと向き合わざるを得なくなるであろう。最終的には日本企業は問題に取り組むと期待するが、その各企業の取り組み度合いの濃淡・巧拙やスピードの違いが、株価に表れる展開になると見込むのである。

以上、シナリオの背景。

このあと、前月号見通しのレビュー。

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