2014年3月3日時点での主要市場見通し

・イエレン連銀議長も、2度の議会証言を終えたが、景気改善に沿った自然な形で、量的緩和を淡々と縮小していくという姿勢にぶれがなく、(カネ余りだのそうでないだのと右往左往している専門家を除いては)市場は好感しているようだ。

・不安要因がまだ多く残るため、世界市場には短期的には波乱が残ろうが、世界経済の基調は緩やかながら上向きであるため、足元の相場の好転が持続しながら、株高、長期金利上昇、外貨高・円安が徐々に優勢になっていくだろう。

・日本株については、日経平均が14000円台での滞留時間が長くなっており、徐々に膠着感・閉塞感が広がっているように感じられる。株価膠着の理由として、前記のような海外発の不安要因や、それを受けた米ドル円相場の頭の重さ(すなわち、「外患」)を挙げる向きが多いようだが、特に2月最終週の東証業種別株価指数の騰落率ランキングをみると、どうもそうした外部要因が本当の理由ではないように思われる。
・具体的な騰落率ランキングの内容としては、同週の上昇率上位に、精密機器、電気機器、ゴム製品(タイヤメーカーの比重が大きい)、海運業、機械といった輸出関連の業種あるいは海外景気に敏感な業種が多く含まれており、海外要因で株価が下落した、という説明と矛盾している。それどころか、下落率上位には、不動産、保険、証券・商品先物取引、銀行、小売り、その他金融といった、内需関連がずらりと顔を揃えており、むしろ「内憂」による株価膠着の可能性を示唆している。
・前述したように、世界市場が、徐々に「外患」とも言える種々の不安要因を飲み込んで相場が好転し続けたとき、より一層日本株が抱える「内憂」が明確になっていくのではないだろうか。

・その「内憂」として挙げられているのは、一つは消費増税が景気に与える悪影響であろう。この点は「花の一里塚」1月号で詳しく述べているが、4~6月期に一旦景気が悪化することは避けられないものの、雇用市場における所定外労働時間の伸び(残業時間、休日出勤時間が伸びており、先行きの雇用の拡大と給与増が期待される)や、パート雇用者に比べ大きく劣後している一般労働者(正社員+派遣社員)の伸びの持ち直しなどにより、景気の悪化は深く長く続くことはないだろう、と見込んでいる。この点では、消費増税は国内株価を一旦は押し下げる要因となりうるが、長期・構造的に懸念するには当たらないと考える。

・むしろ「内憂」として懸念しているのは、一つは特に国内投資家の著しいマクロ経済政策頼みと、もう一つは日本企業の経営改革に対する消極的な姿勢である。

・安倍政権の政策は、当初に比べると、経済政策より防衛・外交に力点がややシフトしている感があるが、決して経済軽視に転じたわけではない。もともと経済政策は、打ち出しても効果が発揮されるまでに時間がかかるものだ。
・市場参加者にとっては、これまで何十年も、デフレ経済と低迷する株価に悩まされ続けてきたため、この辺で何か一発どかんと花火が打ち上げられて、一気にバブル的な株価高騰にならないものか、と期待する気持ちはよくわかる。それが、マスコミ報道も含めて、「異次元の緩和で一気にバブル!」「東京オリンピックの誘致で湾岸不動産バブル!」といった幻想をこれまで生じてきたのだろう。
・それと表裏一体になった心理として、勝手な期待が勝手に失望に変わり、「外国人投資家がアベノミクスの進展の遅さに失望している」といったような観測を、疑心暗鬼として生み出しているように思われる(実際に筆者が外国人投資家にヒアリングすると、それほどの失望は感じられない)。
・また、依然として根強い「消費増税の前に日銀が追加緩和してくれるだろう」との期待も、マクロ政策頼みの心理が生み出した幻と言えるのではないだろうか。黒田総裁の金融政策決定会合後の記者会見を毎月聞いていれば、「異次元の緩和で、景気も物価も計画通りの改善を見せている」=「現時点で、追加緩和は必要ない」と繰り返し語っていることは自明である。事前の追加緩和がなければ市場は失望する、と主張するのであれば、残念ながら、勝手に失望してもらうしかない。
・長年のデフレが複合要因による根の深いものであるため、それがほぐれるには、じっと待つことも必要だろう。やはり投資家にとって今年必要な心構えは、「明るい前向きな忍耐」ではないだろうか。

・もう一つの「内憂」は、日本企業の経営転換の消極さだ。海外投資家は、しばしば「ターンアラウンド」(大転換)がカギだと語るが、多くの外国人投資家は、民主党政権から安倍政権に代わり、経済政策が積極化したことが政治のターンアラウンドであったとして、基本的には引き続き前向きな評価に踏みとどまっており、前述のように「失望」といった空気は余りない。
・しかし海外投資家は、日本企業のターンアラウンドがまだ足りない、と厳しい評価を下している。たとえば。日本企業は依然としてキャッシュを大いに抱えたままであり、これを設備投資、研究開発投資、あるいは企業買収(M&A)などに積極的に使うべきであるが、その兆しが明確ではない、と指摘している。少なくとも、そうした積極的な使い道がないのであれば、投資家に増配や自社株買い戻しで返すべきだ、との主張だ。

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