ダボス会議あれこれ

・失われた世代

南欧は長引く失業により、1世代すべてが失われるリスクに直面していると、ダボスの世界経済フォーラムで、ジム・ヨン・キム世界銀行総裁が語った。
参照:Southern Europe risks a ‘lost generation:’ World Bank
http://www.cnbc.com/id/101358524

またダボス会議で、アイルランドのエンダ・ケニー首相は、欧州連合が直面する最大の危機は若年層の失業だとし、「若者の失業と、統一市場のどちらが重要かを考える時が来た」と述べた。
参照:Youth unemployment EU’s ‘single biggest crisis’: Irish PM
http://www.cnbc.com/id/101354522

欧州連合の資料では、若年層の失業がなぜ問題かとまとめている。

1、2012年第4四半期における失業率は、成人が9.3%に対し、若年層(15歳~24歳)は23.3%だった。
2、2010年に求職中の若年層で2011年までに就職できたのは29.7%だった。
3、若年労働者の42.0%(成人の4倍)が短期契約で、32.0%(成人の約2倍)がパートタイムだった。
4、中途退学者のうち55.5%は職に就かず、うち70%は職を求めていた。
5、2012年第3四半期の時点で、職を求める若年層の12.6%は求職活動を行わなかった。
6、2011年には、12.9%の若者が職に就かず、教育や職業訓練も受けなかった。
7、危機後の欧州労働市場でも、200万以上の求職があるが、極端な技術のミスマッチが存在する。
参照:Youth employment;Why?
http://ec.europa.eu/social/main.jsp?catId=1036

ギリシャやスペインでは若年層の失業率が50%を超えてから久しいが、国際労働機関は中欧、南東欧とロシアの若年層の2014年の失業率を18.02%と予測している。
参照:Youth unemployment rate estimates and projections by region 2007-2017
http://www.ilo.org/global/research/global-reports/global-employment-trends/youth/2013/WCMS_212431/lang–en/index.htm

上記の「極端な所得格差」では、脅かされる民主主義を救うには、「強大で規律があり、開かれた(powerful、constrained、accountable)政府を確立する政治システムの構築が必要だとする声があった。しかし、この3つは互いに矛盾するようにも思えるので、果たして併存は可能だろうか?

失われた世代は、生産や年金システムに寄与することなく、社会保障の対象となっている。技術のミスマッチを考慮すると、失われた時間の意味は限りなく大きい。失われた世代が荒れる世代になると、大きな資金で自分たちの都合の良いルールづくりを行う者に利用されることにもなる。それらが、ギリシャやスペインでは若者の半数にものぼっている。

そう考えると、政府、政治家が最優先で考えるべきことは経済政策で、そのことが年金や社会保障制度を機能させ、社会の安定を生み、騒乱を防ぎ、クーデターなどが起きる可能性を低くすることにつながる。国の安全保障にもつながるのだ。

ダボス会議でマリオ・ドラギ欧州中銀総裁は、ここにきてようやく、ユーロ圏は減税が必要な時期に来たと述べたが、失われた時間は取り返せない。
参照:Draghi: Now it’s time to cut taxes in the euro zone
http://www.cnbc.com/id/101361998

・日本の消費増税、法人減税は機能しない?

ダボス会議で、ノーベル経済学賞受賞者スティグリッツ氏は「日本の消費増税、法人減税は機能しない」と述べた。企業は収入が増えても、コスト増につながることは避けるのが常だからだ。「アメリカではまず絶対にそのようなことは起きない。企業の一時利益が増えるだけだ」とした。

日本の法人税は昨年35.64%に引き下げられることが決まったが、まだ世界1で、2位の米国35%を、僅かながら上回っている。
参照:Stiglitz: Japan’s ‘3 arrow’ plan has 1 big problem
http://www.cnbc.com/id/101358165

アベノミクス第2の矢の「機動的な財政政策」は、政府主導だ。政府の意向そのままだ。第3の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」は、民間の成長力に任せることが必要だ。しかし、事実上は歳入も歳出も増えており、大きな政府に向かっている。規制改革も、経済特区も、官主導となっている。ここに大きな期待をかけるのは無理があるかと思う。株式投資なら、どちらも恩恵を受ける業態、企業を見極めての、選別投資になるかと思う。

第1の矢の「異次元緩和」は金融政策なので、これだけが基本的に経済全体に作用する。資金供給による資産価格の上昇、円安は景気刺激につながるものだ。ある大手電機会社の経営陣は、研究者たちに「コストを度外視して研究開発をしろとはっぱをかけているのだが、過去の経験に委縮して、コストから離れられないでいる」と嘆いているという。こういったことは、円安が定着すればなくなるかと思う。逆に再び円高になったりすると、会社側の姿勢の方がまた変わる。為替レートの威力は大きいのだ。

私は異次元緩和だけで円安となり、株価も企業業績も上がり、景気も上向くと見ている。消費増税はマイナス要因だが、決まったものは仕方がない。法人減税ができるなら、やった方がいい。減税は減税だ。景気にはプラスとなる。そして、企業業績が上向けば、課税率を引き下げても、歳入増になるかと思う。

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