欧州投資家との問答

4. アベノミクスの第三の矢について、本当に何か意味あるものは出てくるのか?

武者によると、短期的なものではないが、「成長戦略」は着実に進展していくだろう。が、第三の矢はアベノミクスの中ではあまり重要ではない。アベノミクスは第一の矢である大胆な金融政策による円安転換が本丸であり、第三の矢というのはそれに対するおかずのようなもの、それによってアベノミクスが成功するか失敗するか、というようなことにはならない。第三の矢の重要性を主張する多くは、アベノミクスの金融政策は有効ではないという延長において、第三の矢が出てこなければ失敗すると主張しているのである。本質は第三の矢ではなく第一の矢であり、武者は第一の矢が成功すると強く主張している。失敗すると思っている人々が第三の矢をやり玉に挙げている訳で、これは2年前から金融緩和は役に立たないと言い続けている人々の現在の主張のやり口であって、本質的に大きな意味のあるものではないと考える。改革は長期にわたって続けていかなければいけないし、短期に実現できるものではない。そして実現したところで1年、2年の経済成長は企業収益や環境に大きく影響を及ぼすものではない、と考えるべきである。

5. 4月に黒田日銀総裁が新たな金融緩和をすると言われているが、実現するのか?

武者曰く、わからない。ただし、あるかないか不安視することはない。黒田日銀総裁はこれまでの日銀総裁と全く違って、結果に責任を負うというスタンスを強く示している。これまでの日銀総裁は、やるべきことはやるけれど、結果は関知せず、日銀が全てコミットできることではないというスタンスを続けていた。しかし、黒田氏は二つの点で極めてはっきりとコミットをしている。第一は、2%インフレを実現する。そのためにはやれることは何でもやる。第二に、消費税増税はすべき。そしてその結果生じるマイナスは金融政策で補完しうる。この二つの黒田氏のスタンスからすると、4月に金融緩和があるかないかはさして意味あることではない。4月に金融緩和をしないとすれば、金融緩和をしなくても2%インフレの可能性が高く、経済は成長し株価は上昇を続けるということに確信を持っているからだ。それが仮に不透明もしくは困難だということになれば、緩和をすることになるだろう。4月の金融緩和そのものは、決してネガティブな材料ではない。(2%インフレが困難であれば更なる金融緩和もあるだろう、その場合ETFが対象として浮上してくる可能性が高い。)

6. 安倍首相の靖国訪問が何か悪い影響をもたらすのかどうか?

武者曰く、心配ないだろう。靖国の問題が米国、中国、韓国においていろいろな形で反響を呼んでいるのは事実である。米国にとって、安倍政権にプレッシャーをかけて、安倍政権の日米の軍事協力の増強やデフレ脱却の努力に水を差すということは、逆に大きなマイナス要素になるだろう。よって、これまでの日本に対する米国のスタンスが変わることは考えられない。それでは中国・韓国はどうか?従来通りの日本に対する冷ややかな姿勢を続けるという以外に打つ手はないだろう。むしろ彼らには、日本との関係を強化することで、経済的な不況を脱却したいというニーズがある。従って靖国という問題があったとしても、さらに関係を疎遠にし経済的な悪影響を増長させるという手はとらないはずだ。靖国うんぬんよりも重要なのは、中国にしても韓国にしても国内の経済であり、国内の経済という観点からすれば日本との外交関係をさらに強化し経済協力を進めるというメリットのほうがはるかに大きいことは疑う余地はない。よって靖国の問題は尾を引かない。

7. 最後に、今後の考えられるリスクは何か?

中国バブル破裂の問題や安倍内閣の指導力の低下、オバマ政権のレームダック化などが考えられるが、当面はそれほど深刻なことにはならないだろう、と武者は言う。ありうる一番大きなリスクは、米国の景気回復に陰りが出ることで、それがドル安円高につながり、日本の景気回復、株高のトレンドに水をさす可能性である。しかし、その場合も、米国は量的金融緩和を元のレベルに戻すことになり、更なる金融政策が打ち出されるだろうから、結果として株価を押し上げ、世界のリスク資産投資を推進することになるだろう。また一時的に米国経済鈍化が起きたとしても、それは税制改革、制度改革、財政政策の発動など新たな政策の登場を促すかもしれない。つまり米国の一時的な経済の鈍化はあるかもしれないが、本質的には悪材料にはなりにくい。

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