チャイナ・プラスワン競争‐ベトナムの競争力を問う‐

4、機械類では後塵を拝す

 機械類の競争力は、ベトナムは弱い。表6に示すように、米国の2013年(1~11月)の機械類輸入(HS84、85、87、90)は、中国から2160億㌦も輸入している(中国依存度26%)。日本からの輸入は965億㌦である(日本依存度11%)。日本は中国に大分水を開けられた。東南アジア諸国の競争力はもっと弱く、マレーシア188億㌦、タイ127億㌦であるが、ベトナムの競争力はさらに弱く、31億㌦に過ぎない(ベトナムのシェア0.4%)。中国の70分の1、タイ、マレーシアの約5分の1である。

 近年、ベトナムは中国からの輸入が増え始めた。サポーティング・インダストリーが弱いため、中国からの部品輸入等が増えているからであろう。このように、中国との間にサプライチェーンが構築されるのであれば、今後、加工組み立て型の機械類も競争力を強める可能性がある。中国から部品を輸入し、低廉・豊富な労働力を使って加工組み立て、米国等に輸出するという発展パターンである。

 日本市場では、ベトナムの競争力は米国市場におけるよりは強いが、それでも、タイ、マレーシアに劣る(表7)。ただし、ベトナムは、日本市場でも、米国市場でも、成長性は高い。機械産業は発展の緒に就いたばかりという事であろう。

表6 米国の機械類輸入額(HS84+85+87+90) (単位:百万㌦)
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表7 日本の機械類輸入(国別) (単位:10億円)
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5、ベトナムの比較優位産業

 ベトナムは、これまでの分析から予想できたことであるが、現状は、衣類、履物に比較優位がある。比較優位指数を推計すると(表9)、ベトナムは衣類、履物の比較優位指数は1000を超える。これに対し、機械類の比較優位指数は一般機械63、電気機械59、自動車6と著しく低い。衣類と機械類の格差が大きい。軽工業は発展してきたが、重化学工業は弱いと言えよう。

(注)ここでは米国市場から見た比較優位を推計した。本来ならベトナムの全世界向け輸出統計を利用すべきであるが、まだ2011年分しか発表されていないので、一番大きな市場である米国の輸入統計(2013年1~11月分)を利用した。比較優位指数=各商品別の米国輸入計に占める割合を、各国の全商品輸入額が米国輸入総計に占める割合で除した数値×100)。

 中国は、ベトナムと同様、衣類・履物に比較優位があるが、機械類も比較優位産業に成長している。タイは、衣類は早くも衰退産業に向かっているが、逆に、機械類が比較優位を高めている(2003年と2013年の比較)。また、中国、タイは、万遍なく競争力がある印象を受ける。産業集積度が大きく進んでいることを示唆する。この各国の比較優位構造は日本市場においても変わらない(付表1参照)。

 ベトナムは、一点集中、衣類突出型の産業構造になっているが、持続的な経済発展のため、今後の課題は機械工業の発展策を練ることであろう。

表8 米国の輸入額(2013年、百万㌦)
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表9 各国の比較優位構造(2013年、米国市場から見た比較優位)
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