チャイナ・プラスワン競争‐ベトナムの競争力を問う‐

2、インドネシアが強い

 さて、“チャイナ・プラスワン競争”で、ベトナムはどの位置にあるか。ここでは、別格の中国を除いて、東南アジア諸国の中での競争力を比較しよう。中国一極集中からの分散投資を受け取るのはどの国であろうか。

(注)中国は大国である。わずか1%の経済変動でも、小国にとっては大きな影響がある。例えば、中国の輸出額は2兆㌦、その1%は200億㌦である。中国の輸出が1%減少して、その分が仮にミャンマーからの輸出に振り替わるならば、ミャンマーの輸出は一挙に3倍の増加にな
る(2012年90億㌦→290億㌦)。

 ベトナムは、直接投資の導入競争で負けている。先の表1に見るように、インドネシアの対内直接投資の急増が注目される。急浮上である。世界の直接投資はインドネシアに向かっている。日本の直接投資を見ても(表2)、ベトナム向けも増加しているが、やはりインドネシア向けが多い。ただし、東南アジア諸国全体の中で言えば、ベトナムも健闘している中に入る。

 製造業に限定してみても(表3)、インドネシアの方が強い。人口2億4000万の現地市場の大きさが魅力であろうか。(注、人口はベトナム8,876万人、インドネシア2億4447万人。1人当たりGDPはベトナム1,753㌦、インドネシア3,594㌦。GDPはベトナム1,556億㌦、インドネシア8,785億㌦。2012年値)。タイの直接投資受入れが意外に増加していない点、懸念がある。チャイナ・プラスワン競争に敗れているからであろうか。タイの経済発展に関して「中所得国の罠」が言われて久しいが、ここにその一因があるのではないか。

 東アジア諸国は、直接投資プラス輸出が経済成長のメカニズムを創りだしてきた。直接投資の受入れ競争で後れを取ると、経済成長に齟齬をきたす。ベトナムも、タイも、直接投資の受入れ競争で有利になる条件を整備する必要があろう。

3、衣料品はベトナム快走

 次に、輸出競争力について見よう。米国の輸入統計で見ると、ベトナムからの衣類輸入は中国に次いで多い。また、急増している。特にニット分野の競争力が強い(表4)。東南アジア諸国間で比較すると、タイの衣料は既に衰退に向かっている。バングラデシュとインドネシアがベトナムに次ぐが、輸出の規模、増勢において、ベトナムの方が強い。

 表5は、日本の輸入統計であるが、中国を別にすれば(中国依存度75%)、ベトナムの独走である。インドネシア、ミャンマー、バングラデシュも成長率が高いが、まだ規模が小さい。タイはここでも成長性が低い。チャイナ・プラスワン競争で、衣料品分野ではベトナムが圧勝の勢いである。他のASEAN諸国を2、3馬身離して快走している状況だ。

表4 米国の衣類輸入額(HS61+62) (単位:百万㌦)
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表5 日本の衣類輸入(国別) (単位:10億円)
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