みているものが違う

・ソ連モデル

私の書いたものを読んでくれている人たちは、私が一貫してユーロに否定的なのをご存知かと思う。1996年当時、米セントルイス連銀総裁だったローレンス・リンゼー氏がフィナンシャルタイムズ紙に寄稿したコラムを読んで以来のものだ。

私などの考え方では、非常に説得力のあるその記事が出た時点で、もうユーロは終わりかと見ていた。その影響があったのかどうかは分からないが、英国民はぎりぎりでユーロ参加を見送った。しかし、欧州大陸諸国やアイルランドは、ユーロを自国の通貨として導入した。

リンゼー氏が指摘していた弊害はサブプライムショック後に顕在化した。米英が即座に相次いで利下げする中、欧州中銀はコア諸国のインフレ懸念を理由に利上げを敢行し、利下げは1年後のリーマンショック後だった。この1年間にユーロはコア諸国と周辺国PIIGSに分けられた。そして、周辺国の首長は次々と、国民代表的な首長からユーロ政府的な首長へと代わって行った。おかげで、財政を立て直しかけている国々は出てきたが、国民の窮乏生活は悪化したまま続いている。また、ユーロでの勝ち組は、金融政策を実質的に握るドイツだけの様相だ。

ユーロの矛盾の極め付けはキプロス方式だ。銀行救済のために、銀行預金が使われる最初の例となった。そして、ユーロ財務相会合は、今後の銀行救済はキプロス方式で行うと明言した。

ユーロが行っていることは、通貨の変動相場制が持つ利点の否定、金融・信用システムの否定、個人の財産権の否定だ。ユーロを守ることが優先され、そのためには国民が犠牲になるという、本末転倒のようなことが起きている。

ユーロでこういったことが続くのは、実のところ、私の理解を超えていた。「最後まで私の言っていることが理解して貰えなかった」位に、私の常識とはかけ離れていた。

ところが、たった一言で、私にすべて理解させてくれるコメントがあった。「ユーロ圏はソビエト連邦モデルへ完全回帰した」だ。
参照:Soviet-style scare? Extreme predictions for 2014
http://www.cnbc.com/id/101277591

ソ連がどういう国であったかは、読者の皆さんもよくご存じだろうから、私が繰り返すまでもないかと思う。今でも、言論の自由、移動の自由、職業選択の自由を制限し、産児制限などを国の政策で行っている国々がある。国の政策とは謳わなくても、実質的にそうなっている国々はもっと多いが、システム化されているのと、事実上とは大きな違いだ。方向性が違うからだ。

それでも、そういった国々が現在も存在し、ユーロ圏の方向がそちらに向いていること自体が賛否両論で、見方の違いだということだ。

拙著「実践・生き残りのディーリング」では、以下の項目で「市場は異なった考え方の人々が、同じ目的で集まって機能しているといえます」と書いた。

しかし、市場そのものを否定し、異なった目的を持つ人々も多いことを、最近痛感させられている。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> その他> みているものが違う