ベトナム訪問記-チャイナプラスワンが農業発展への道-

農業国から工業国の仲間入りを目指すベトナムは、街はバイクの波で溢れ、有機野菜は3~5倍の高値で売れている。初期中進国に特有な情況だ。低所得の発展途上国でありながら、なぜか地方の末端まで民度は高かった。
 チャイナ・プラスワンの地位は、インドネシアやタイに獲られがちである。経済改革が必要だ。2015年のASEAN市場統合後の行方が注目される。工業が発展すれば、本格的な農産物輸出国になるであろう。
 今回のベトナム行は、経団連自然保護協議会の視察ミッションに参加したものである。

1、ハノイ雑感

 ハノイはヤンゴン(ミャンマー)より落ち着いているように見えた。去る10月に訪問した時の印象である。チャイナ・プラスワンとして脚光を浴びて来たので、もっと喧騒を予想していた。
 筆者が初めてベトナムを訪問したのは、アジア通貨危機後の1999年だった。南のホーチミン市(旧サイゴン)は近代的なビルが建ち並び、新興国の勢いを感じた。しかし、北のハノイ市は静かな佇まいの街で、古い、美しいアジアの街という感じだった。両者は対照的であった。今回久し振りにハノイを訪れて、昔のイメージが色濃く残っているのに驚いた。街に溢れるバイクの波以外は。

◇ハノイvs.ホーチミン
 まず、全国を概観しておきたい。ベトナムの産業構造は、GDPベースで見ると、農林水産業の比重が19.7%と高い。工業・建設業38.6%、サービス業41.7%。労働力ベースでは農林水産業は47%である。国全体は今なお“農業社会”の段階にあるといえよう。また、輸出商品も、全体の4分の1は、コメ、水産物(エビ等)、木製品、天然ゴム、コーヒーなどの農林水産品である。コメもコーヒーも、世界2位の輸出国である。ベトナムはまだ農業国家である。
 ベトナム政府は、2020年までの工業国化達成を国の目標として掲げている。現状は「農業国家」を自認しているといえよう。

 さて、ベトナムは南北の違いがよく指摘される。ホーチミンとハノイはまだ経済格差が大きい。表1に示すように、人口規模は大差ないが、工業生産はハノイはホーチミンの約半分である。人口1人当たりGDPはホーチミン4,117㌦に対し、ハノイは2,253㌦である。

 これに対し、農業生産は、ハノイはホーチミンの3倍以上も大きい。ハノイは農業の比重が相対的に大きい。ホーチミンに比べると、“農業社会”的色彩を残している。実際、ハノイ市の食糧自給率は、野菜60%、肉・魚40%、米60%と極めて高い。米は生産量70万㌧、近隣省からの輸入50万㌧である。国の首都であるが、農業には力を入れている。農家数100万戸、380万人であるが、減少傾向にある。1人当たり経営面積の拡大、インフラ整備(交通、水)が政策課題のようだ。

 ただし、産業構造はハノイも非農業が大きい。GDPベースで見ると、農林水産業の比重は5.6%に過ぎず、工業・建設業41.8%(工業30.7%)、サービス業52.6%である(2012年現在)。ホーチミンとの比較でみると、ハノイは農業社会的色彩があると言ったものの、全国平均から見ると、ハノイも工業化、サービス経済化が進んでいる。ホーチミンは工業化が突出して進んでいるといえよう。

表1 ハノイとホーチミンの経済力比較(2012年)
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表2 地域別の1人当たり平均収入と収入源(2010年、月収)
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