ビットコインと、中国、キプロス

21世紀初頭の現在、通貨はほとんど実際の紙幣、貨幣の必要のない所まできている。エレクトリックマネー、プラスティックマネー、あるいは「お財布携帯」といったものだ。通貨とは、そもそも情報に過ぎないという見方もある。現実に、口座振替などでは、口座から口座への数値の移動を、情報だけでやり取りしている。

現在の通貨制度は、通貨交換システムに対する信仰が支えている。私たちは自分たちが使っている日本円がいつでもどこでも使えると思っている。あるいは、米ドルに換えさえすれば、どこででも使えると考える。価値の変動は当然だが、円や米ドル紙幣が、トイレットペーパーよりも使い勝手の悪い紙切れ同然になるとは思っていないのだ。

子供銀行券でも、例えば、誰かのお父さんが日本円との交換を保証し、一定の交換レートを決めたなら、通貨としての体裁を得ることができる。そして、何らかの複製不可能なものを、裏書きする者の信用力によって、誰もが通貨として認めたなら、実質的な通貨として流通するようになるのだ。オンラインゲーム上での通貨でも、閉鎖システム内では日本円と同じように使えるものがあるという。

かって、日本陸軍は中国大陸で自らの息のかかったいくつかの銀行に通貨を発行させ、日本国内の円とはまったく別に流通させていた。軍が直接に発行した軍票などにも通貨の役割を担わせ、人件費や調達物資の支払いに使用した。これらが流通し、通貨としての体裁を保っていたのは、軍の力による信用力だ。従って、軍の敗北、威信の低下により、それらの通貨は紙切れ同然に減価していった。

鉛筆書きで「千円」と書いた子供銀行券が、広く流通していないのは何故かという理由は、誰の目にも明らかだろう。また、現在の日本円が通貨として広く世界で流通し、かっては金が最も信用のある通貨だった理由も明らかだ。

複製不可能で、常に一定の安定した価値を反映させることができれば、人はそれを通貨として認めるのだ。例えば、香港ドルは民間銀行が発行している。英ポンドは英国銀行だけでなく、スコットランドの民間銀行も発行している。通貨は必ずしも一国の中央銀行だけが発行するものではないのだ。

逆に言えば、人が認めなければ通貨ではない。あなたが海外旅行先で、日本円が使えないことがあるのは、そこでは日本円を流通通貨として認めていないからだ。

つまり、通貨の本質は交換システムと、そのシステムを支える信用力だといえるのだ。通貨には絶対的価値などというものはなく、他の通貨やモノ、サービスに対しての相対的な価値しか有しない。

そう突き詰めていくと、以前の金本位制も例外ではなく、システムに対する信仰だったということができる。金という目に見えた美しく輝く物は限りなく象徴に近く、実体は金を中心とした通貨流通システムに対する信仰であったといえるのだ。金ならば、戦乱があっても、いつでもどこでも使えると信じられていた。

したがって、信仰の通じない相手に金の価値は分からない。通貨は情報だという見方でいうなら、コミュニケーションの通じない相手には、金であっても無価値でしかない。まさに、猫に小判だといえる。私たちには、どのような形であれ、システムを信仰する以外の選択肢はなく、システムの維持に全力を傾けるべきなのだ。

そういった観点で統一通貨のユーロを見る時、ユーロ紙幣もコインも、実体は象徴に過ぎないといえる。だからこそ、その信用力を高め、ピカピカの通貨として、米ドル以上に流通させるために、各国に財政赤字や債務残高の縛りを設けているのだ。

通貨とは情報の信用度であり、安全で機能的な流通システムがキーだとすれば、そこで最も価値があるのは、使い勝手が良いということだ。
参照図:使い勝手の良い通貨

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