2013年11月1日時点での主要市場見通し

・これはやはり、内外の経済が回復方向にはあるものの、強い分野と弱い分野がまだ入り混じっていることを示しているのだろう。とは言うものの、全般的な内外景気の回復が進めば、徐々にではあるだろうが、業績内容が明るい企業の数が勝っていくことになるだろう。

・なお、国内株式市場においては、来年4月からの消費税率引き上げの影響に対する関心が、徐々に強まっていくだろう。10/10付のESPフォーキャスト調査(※2)によれば、エコノミストの平均では、実質経済成長率は2013年度が2.80%と見込まれているのに対し、2014年度は0.73%に低下すると予想されている。来年1~3月の駆け込み需要の反動が、4~6月に大きく表れることは避けがたい。
・しかし、そうした来年4~6月のマイナス成長(平均では、前期比年率で4.97%のマイナス)は、既にある程度予測されているうえ、その後の7~9月期以降は、実質GDPの前期比年率ベースの成長率は、プラス1.5~1.7%に復すると見込まれている。また外需については、消費税引き上げは関係のない話でもある。この点から、足元の景気の持ち直し基調も勘案すると、消費税引き上げによる経済成長率の一旦の落ち込みは、国内株価の大きな悪材料とはなりにくいと見込まれる。

・国内の市場動向に関しては、10年国債利回りの低下が目立つ。実体経済が後退に向かっているわけではなく、大幅な株安も円高も生じていないなか、奇妙な印象が生じる債券相場の動きだ。
・もちろん、日銀による国債購入が需給面で利回り低下要因の一つとはなっているが、国内長期債相場が、金融機関の投資行動によって決められている、という面が大きいだろう。現在の日本国債の発行残高のうち、約5割は政府に近い主体(日銀、公的年金、郵貯、簡保など)によって占められており、約4割は民間金融機関による保有である(残りが、外国人、個人など)。前者は売買を活発には行なわないため、後者の民間金融機関の投資態度で相場が決定されやすい。
・金融機関は、企業の国内設備投資意欲が強くないことなどから、融資の拡大に苦労しており、消去法的に国債に資金を振り向けざるを得ない。生保等の資金運用計画を見ても、株式等のリスク資産に対する投資は及び腰であり、金融機関が国債を買うので国債価格が上昇し、相場が堅調なのでさらに買う、といった展開になっていると考えている。
・その点では、「みんなで渡れば怖くない」と言える事態であり、このまま利回りが低水準でしばらく推移する可能性が否定できない一方、何らかの理由で相場が崩れ始めると、一気に利回りが跳ね上がる展開もありうるため、警戒を怠れないと懸念している。

※2 日本経済研究センターによる、エコノミスト41人に対するアンケート調査。毎月1回行なわれている。

2)米国

・米国では、まず連銀の金融政策に関して、足元の市場が右往左往している感が強い。9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で量的緩和の縮小開始が見送られた後、市場は一気に「3月まで縮小はないだろう」と極端な見方に走った。これが、10月のFOMC(10/29~10/30)の声明で、景気が堅調だとの連銀の判断が示されているとの解釈が広がり、「結構、縮小開始は早いのでは」との見解にまた振れ戻っている。
・連銀は、市場が「すぐに緩和縮小開始」とも、「ずっと緩和縮小はない」とも、どちらにも決め打ちすることは回避したいのだろう。そうでないと、市場が決め打ちした以外の行為をすれば市場が荒れやすく、それを避けようとすれば政策の手を縛られてしまう。連銀の市場に対するメッセージは「いかなる展開もありうる」ということだと考える。
・今後も短期的には、市場が連銀の顔色をうかがって一喜一憂しかねないが、最も重要なポイントは、いずれ量的緩和の縮小は行なわれる、ということであり、その背景は米国経済が堅調さを増しつつある、という点だ。そう考えれば、量的緩和のタイミングは些細なことであり、米経済の回復に伴う、米株高、米長期金利上昇、米ドル高の基調を見込んで良いだろう。

・なお、議会の力量低下は絶望的な状況にあり、暫定予算の期限である来年1/15や、債務上限の引き上げなしに国債発行が可能な期限である2/7を前に、再度茶番劇が演じられる可能性が極めて高い。しかし直近の体験で、市場は茶番は茶番に過ぎない、と知ったと推察され、来年のごたごたは、「またか、どうせ最後には与野党間で妥結するだろう」と市場は無視することになると期待している。

3)欧州

・ユーロは10月には堅調展開を示し、当レポートの予想レンジである135円をたびたび上回ることとなった。この背景としては、世界の投資家がまだリスクを取り切れず、新興国に対する投資に後ろ向きなため、消去法的に先進国へ資金が向かっていることが挙げられる。当初は米国買いの様相が強かったが、米議会のごたごたによる連邦政府機関の閉鎖などが生じ、ユーロにも買いを入れよう、との動きが盛り上がったのだろう。
・ところが、そうした買いに無理が生じたのか、足元でユーロ相場が崩れ始めている。これまでのドラギECB総裁の手腕は、「ドラギマジック」と呼ばれてきたが、「ドラギもん」が4次元ポケットから、次々と危機収拾策を打ち出し、一時の「欧州財政危機」は
(財政そのものの改善ははかばかしくないが、不安心理は)収拾されていると言える。そうした政策運営のかじ取りを前向きに評価するのはよいとしても、だからと言って、ユーロ圏の実体経済までもが一気に改善したわけではない。
・特に雇用面は弱く、失業率も上昇傾向を覆すことができていない(図4)。ドイツ経済は、経済の実力以上に弱いユーロと低い長短金利の恩恵を受けて、立ち直りの様相を見せているが、南欧諸国中心に、景気低迷を脱しきれてはいない。

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