米国債のデフォルトは避けられる

・デフォルトは避けられる

「理論上、政府はいつまでも債券保有者が損失を被らない状態にしておくことが可能。利払いをしても余りある税収があり、財務省は他の債務と別のシステムを通じて債券保有者に支払いができるからだ」とあるように、デフォルトを避けることは可能だ。

このことは一方で、債券以外の支払いがより遅れることを意味する。一例を挙げると、イランなどに対する経済制裁が、制裁の執行、制裁逃れ取締りの両面から滞る。当事国にとっては有難いが、米国の国威が「張子の虎」状態となる。
参照:US shutdown: 10 unexpected consequences
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-24357415

一部の政府機関が閉鎖されたことで、米国の国威は既に低下した。「自由の女神」が見れらなくなったことを、日本のテレビが海外からの観光客にインタビューしていた。中国からの観光客だという若い女性は、「こんなこと中国では考えられない」と不満そうにしながらも、「だって、中国ではなんでも満場一致だから」と笑って言った。「自由の女神」を遠景に、決められない議会制民主主義国家と、なんでも満場一致の一党独裁国家との対比は秀逸だった。

米国の国威の低下ならば、シリア問題でも見られた。いや、イラク、アフガニスタンから、リビアなどアラブの春を通じても、一貫して下げ続けている。そんなことを国威の低下と呼ぶならばだ。

一方で、世界の上場企業の株式時価総額は、9月末時点で1社で世界の株式市場全体の1%近くを占める首位のアップルの4331億ドルから9位まで米国勢が占めた。次いで10位にスイスの医薬品大手ロシュが入った。先進国がトップ10を独占するのは、年末ベースで遡ると2005年以来となる。

ファクトセットの集計によるベスト10は、アップル、エクソン・モービル、バークシャー・ハサウェイ、グーグル、マイクロソフト、ジョンソン&ジョンソン、ジェネラル・エレクトリック、ウォルマート・ストアーズ、シェブロン、ロシュだった。

また、2013年半ばまでの1年間に新たにミリオネアーに加わった181万人のうち、168万人がアメリカ人だった。これで米国には1322万人のミリオネアーがいることになる。株高、住宅価格の回復など、広範囲にわたる資産価値の上昇が貢献した。増加数の2位はフランス、3位ドイツ、4位イタリアと、ユーロ圏が続いた。クレジット・スイスが報告した。

国名 2012 2013 増加数(千人)
USA 11,534 13,216 1,682
France 1,924 2,211 287
Germany 1,514 1,735 221
Italy 1,323 1,449 127
UK 1,412 1,529 117
Sweden 406 506 100
China 1,033 1,123 90
Spain 355 402 47
Canada 948 993 46
Belgium 231 269 38
World 29,867 31,680 1,814

世界のミリオネアーのうち、米国が42%、欧州が39%を占めた。また、トップ1%が98兆7000億ドルを所有し、世界の富の41%近くを占めた。これはボトム68%(32億人)を合わせた富の13倍にも相当する。

資産が500万ドルから1000万ドルのミリオネアーは全世界で200万人以上、5000万ドル以上は9万8700人、1億ドル以上は3万3900人となった。

減少数では日本がトップだった。30年来で初めての減少で、世界のミリオネアーに占める比率が8.4%と1割を割り込んだ。減少率では33%にもなる。

国名 2012 2013 減少数(千人)
Japan 3,964 2,655 -1,309
Brazil 233 221 -12
Argentina 32 27 -5
S.Africa 47 43 -5
Russia 88 84 -4
Egypt 25 22 -3
World 29,867 31,680 1,814

参照:US is minting almost all of the world’s millionaires
http://www.cnbc.com/id/101099732

北米の家計資産は2013年半ばまでの1年間で12%増えて78兆9000億ドルとなり、2005年以来の世界一に返り咲いた。米国の住宅価格回復や株価上昇が要因だ。欧州は7.7%増の76兆3000億ドルだった。アジア太平洋では3.7%減の73兆9000億ドル。日本の家計資産が円安に伴い20.5%減ったことが響いた。

世界全体の家計資産は4.9%増の241兆ドル余りとなっており、今後5年間でさらに39%増えて334兆ドルに達する見込み。

日本の家計資産は円安に伴い20.5%減少した。こう書かれると、日本は随分貧しくなったように聞こえる。実際のところは、保有株式数こそ減少しているが、残存保有株式の上昇により、金融資産は円建てでは増えている。

為替レートは面白い。これまでの日本は円高により実感のない豊かさだった。20年ほど所得が減り続け、資産も増えないなかで、円高によりドル建てでは豊かになってきたのだ。

実感がないとはいえ、国際社会では真実で、輸出のコストは高く、輸入や海外旅行のコストは安かった。円は世界一高い通貨となっていたので、輸出のコストは世界一となり、コスト削減のために雇用は不安定になり、給与が下がり続けた。日本の観光地は有名だが、割高のために外貨の獲得もままならなかった。国際的な豊かさの陰で、国内はどんどん貧しくなっていたのだ。おかげで、安いはずの輸入や海外旅行も、通貨高を反映するほどには伸びなかった。

今、円安により日本の家庭は国際社会では前年比で20%も貧しくなったが、消費活動は上向きだ。海外からの観光客も増えている。ドル建てでは貧しくても、円建ての実感では徐々に上向きだ。為替レートは面白い。

日本のことはともかく、米国が仮にデフォルトしたにしても、それはテクニカル・デフォルトで、米国そのものが凋落したわけではない。それでも、私は他のどんな支払いよりも、米国債の元利金支払いを優先するかと思う。つまり、17日も、それ以降も、デフォルトはないかと思う。あまりに期日が迫っているので、そう断言するのはリスクが大きいが、それほど国債のデフォルトは深刻なことなのだ。

国債がデフォルトすれば、国債の元利金を当てにしていた他の支払いなどすべてが滞る。場合によっては、法人や個人の黒字破産が起きてしまう。そして、それは連鎖する可能性がある。世界一の残高を誇る、それほど信用され資産運用の中核となっている米国債がデフォルトすれば、それこそ何が起きるか分からない。一時的な大混乱は避けられないかと思う。

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