2013年10月1日時点での主要市場見通し

・米国の金融政策の先行きについても、不透明感が漂っている。9月のFOMC(連邦公開市場委員会、9/17~18)では、量的緩和の縮小が見送りとなった。これは市場の大半が予想していなかった展開であり、筆者もかなり驚いたが、その後、セントルイス連銀のブラード総裁のテレビ出演(9/20)で、きわどい決定であったと明かされた。
・米国経済は雇用情勢を含めて改善しているが、極めて緩やかなものである。9月のFOMCを過ぎて10月のFOMC(10/29~30)あるいは12月のFOMC(12/17~18)までに、絶対に量的緩和の縮小をしてはならない、というほど弱い経済データが出そろう可能性は極めて小さいだろうが、万人が絶対に量的緩和の縮小を始めるべきだ、と納得するほどの強い経済データも揃わないだろう。
・筆者は、9月に打診的に小幅の量的緩和縮小を始めるべきだったと考えているが、現実にそうならかった以上、今後の市場はいつ縮小が始まるのかについて見通すことが極めて難しくなっており、思惑から米国株・米国債の価格や、米ドル相場が、波乱に見舞われる可能性が高まってしまったように懸念している。
・ただしいずれは、景気改善の実力に沿った、自然な量的緩和の縮小が薦められるのであり、投資家は短期的な相場の波乱に惑わされるべきではないだろう。

・以上が、長期的な世界の株高、長期金利上昇、外貨高(円安)シナリオの背景となる、日米中など主要国の景気の緩やかな回復と、短期的な波乱要因だが、ここで円相場の水準について述べてみたい。
・米国経済の回復や、それに伴う長期金利の自然な上昇が評価されて、米ドルが上昇する余地はまだあるだろう。豪ドルについても、これまでは中国向け輸出の減退懸念が勝っていたため、逆に豪州経済に対する見直しがはいり、豪ドルが上昇するものと予想している(ただしユーロについては、欧州景気の回復の遅さなどから、上値は極めて限定的と見込んでいる)。
・とはいうものの、米ドルの対円相場は、100円前後が落ち着きの良い水準であり、110円を超えるような大幅な米ドル高・円安はないだろう。

(図6)

・(図6)は、日米長期金利差(10年国債利回り格差)と米ドル・円相場の関係を見たものだ。2006~2008年の両者の関係を求め、それをそのまま直近まで延ばして描いている。すなわち、実線は実際の米ドル円相場、点線は、日米長期金利差の通りに為替相場が動いたとすれば、こう動いたはずだ、という理論値である。
・これをみると、かつては両者の間の関係が密接であったものが、しばらくは金利差が示す水準より円高過ぎたと言える。これは、米国を含めた世界経済に対する過度の悲観論が横行し、消去法的に円が買われたためだろう。これが最近になって、アベノミクスをきっかけに円安に振れ戻ったが、逆に5月下旬まで円安が行き過ぎて、その後は再度やや円高方向に振り戻されていることがわかる。
・9月末時点で、金利差から計算した米ドル円の理論値は、100.92円だ。今後、米国長期金利が上がる形で日米金利差が開けば、理論値もさらに米ドル高・円安方向に進む余地はある(※12)が、それでも100円から余り大きくは離れにくいと言えるだろう。
・テクニカル面からも米ドル円相場を見てみよう。

※12 日米金利差が1%変化すると、米ドル円相場の理論値は14.67円変化する。筆者は、米国10年国債利回りは、景気との関係では3.5%に達する可能性があり、それにつれて日本の10年国債利回りも1.0%前後に達すると考えている。すると、現状より日米長期金利差が0.57%開く(9/30時点での金利差が1.93%であるため)ので、その時の米ドル円相場の理論値は、100.92(9/30時点の理論値)+0.57×14.67=109.28円となり、110円には届かない。

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