2013年10月1日時点での主要市場見通し

・こうした主要国経済の地道な改善に対して、目先は、政治的な要因や米国の金融政策が、不透明要因として台頭している。

・欧州においては、イタリアの政治情勢が流動化している。ベルルスコーニ元首相は、脱税などで有罪判決を受けている。このためイタリア上院では、ベルルスコーニ氏の議員資格はく奪と、一定期間の公職追放を決議する可能性が高い(決議は、確実に行なわれるとも言い難い)。
・連立政権の一角であり、ベルルスコーニ氏が属する「自由国民」は、閣僚5人が辞任を表明し、連立政権を離脱する構えだ。自由国民が離脱した場合、現連立与党は過半数を維持できなくなり、再選挙の可能性が高まる。
・しかしナポリターノ大統領(議会の解散・総選挙を決する権限を持つ)は、再選挙を極力避ける意向で、他の野党に政権への参加を呼び掛ける模様だ。また、自由国民のなかにも、ベルルスコーニ氏と一線を画し、国民のために政治空白を作ることは望ましくない、と考える議員がいる様子で、そうした議員が、自由国民を離脱し、連立政権に参画する可能性がある。

・こうした形で再選挙が回避されたとしても、目先のイタリア政局の不透明感はぬぐえない。とはいうものの、世界市場が最も懸念してきたイタリアの財政について、何か悪いことが起こるわけでもない。そもそもイタリアの財政は、プライマリーバランス(※7)がプラスであり、今回のイタリア政局の流動化をきっかけに、以前のような欧州発の市場波乱が起こるとは見込みにくい。

・米国では、10月1日からの新年度について、暫定予算が成立せず、政府機関の閉鎖が始まった(※8)。また、議会が債務の上限を引き上げず、新規の国債が発行できないままだと、10月17日には連邦政府の資金繰りが行き詰まるとされている。その場合、国債の利払いができないなどにより米国債がデフォルトする公算が高まってしまう。なぜこうした財政を巡るごたごたが生じているかと言えば、野党共和党が、「暫定予算を通してほしければ○○を承諾せよ」「債務上限を引き上げてほしいのであれば、△△をのめ」と、政争の具にしているからである。

・暫定予算と債務上限引き上げという、2つの問題は、切り分ける必要がある。債務上限については、本当に引き上げられなければ前述のように米国債がデフォルトの危機に瀕し、米国の金融市場の混乱や、それが米国経済に与える影響が無視できなくなる(※9)。交渉の「人質」にするには余りにも問題が大きすぎるため、与野党間の妥協が図られて、債務上限引き上げは実現するだろう(ただし、ぎりぎり直前まで「政治ショー」が演じられて、内外の市場が、上限が引き上げられないのではないか、と懸念してしまう展開はありうる)。

・暫定予算が成立しないことによる、政府機関の閉鎖は、それによっていきなり米国経済が著しく悪化するようなものではない。逆にそれだからこそ、政争の具にしやすいと言える。現状は、暫定予算にオバマケア(オバマ大統領が導入した医療保険改革)(※10)の停止あるいは延期を盛り込もうとする共和党と、そうした措置を盛り込ませまいとする民主党の対立となっている。
・問題は、共和党が自律性を失いつつあるという点だ。各種世論調査によれば、「暫定予算の議論にオバマケアを含めるべきではない」「もし政府機関が機能停止となれば、それは共和党の責」といった主旨の回答が多数を占めるようだ。しかし共和党にはそうした声が届いていないように見える上、党内の穏健派と保守派(いわゆる「茶会党」)が分裂気味となっている。このため、単に民主党対共和党、といった図式より複雑化しており、交渉がまとまりにくい。
・民主党と共和党穏健派が手を組んで妥協、という展開も否定はできないが、このままでは、足元の暫定予算成立に時間がかかる、あるいは、一旦暫定予算が成立しても、その期限まで(※11)に本予算が成立せず、再度の暫定予算策定時にまた同様のことが繰り返される、ということになりそうだ。

※7 財政収支のうち、国債に関する部分(国債の利払い等)を除いたもの。
※8 もともとの予算が成立していないので(ただし米国では、年度の初めに本予算が成立していないことは、日常茶飯事だ)、とりあえず政府機関がおカネを使えるよう、暫定予算を組まないと、政府機関は機能することができなくなる。
※9 当然、米国以外の国々にも多大な影響が出かねないが、米国の議員は他国のことは気にしないだろう。
※10 その主な内容は、国民皆保険へ向けての医療保険加入者増など。
※11 現在のところ、暫定予算案は、上院案では11月15日まで、下院案では12月15日までが期限。

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