京浜急行電鉄 原田一之取締役社長インタビュー

 また羽田は国内線の発着回数が今年中には34万回に増加。国際線も6万回と倍増する予定です。国際線ターミナルビルの拡張工事も進んでいて、完成後には駐機スポットが10か所から18か所に、出国検査場も2か所に増加します。17年には年間利用者が8030万人にまで増加する見通しです。
 これらを背景に羽田空港への鉄道アクセスの強化を図り、かつバス路線の拡充にも努めています。また羽田利用者の増加にともなうホテル需要の拡大にも対応し、ビジネスホテル「京急EXイン」の出店を進めています。これからも「羽田といえば京急」と言っていただけるように努力していきたいと思っています。
 さらに政府は「観光立国の推進」で訪日外国人を30年には3000万人に増加させようという目標を掲げています。特に羽田空港から定期便が就航している韓国、中国、台湾、香港は最重点のエリアとされていますから、当社グループも効果的に訪日客を取り込みたいと考えています。昨年から韓国の大手旅行代理店「ハナツアー」の窓口で当社の乗車券を発売しているのもその一つです。
 また、お台場カジノ構想なども実現化した場合も、この地区に旗艦ホテルを有する当社グループにとっては大きな効果があるに違いありません。

━━現在の業績面についてはいかがお考えでしょうか。

 おかげさまで今期は増収増益の見通しです。まだ第一四半期の段階ですが、昨年実施したダイヤ改正の効果により羽田空港輸送等が増加したほか、交通系ICカードの全国相互利用キャンペーンなどで当社線の利用促進に努めた結果、輸送人員は前年同期比で1.4%の増加となりました。
 セグメント別でも交通事業、不動産事業、レジャー・サービス事業、流通事業など主要分野で増収増益となりました。また、当社の配当に関してですが、安定的な配当を継続しております。当社は1949年に東証1部に上場以来、無配になったことはありません。また30年以上、普通配当を減配したこともありません。

━━最後に、原田社長が考える“京急ブランド”とはどのようなものでしょう?

 すべての事業の原点は“安全・安心なサービス・商品の継続的な提供”であり、事業の大前提となっています。今後も、鉄道事業を中核とした事業で「安全な京急、信頼できる京急」という、これまで培われた当社への期待に応えられるように取り組んでいきます。安全を維持し続けることで培ってきた利用者の皆様からの信頼が当社グループの最大の財産だからです。
 その上で当社グループの原動力が“人の力”であることは言うまでもありません。今回経営計画の中で「京急ism」という概念を定めました。これを一言で言えば、京急グループ社員としての誇りを持ち、皆で結束し、果敢に挑戦していこうということです。また京急ブランドを全国ブランドとして確立し、将来的には世界ブランドにまで高めていくことが今後の大きな目標です。
 企業が継続的に発展していくためには時代への変化に即した新しい事業へのチャレンジが不可欠です。品川や羽田を生かした事業としては、外国人ビジネスマン向けの長期滞在施設や外国語対応の保育園の整備なども必要になってくるでしょう。また沿線の住民の方々のために学童保育への参入などの新しい生活支援サービスの展開も視野に入れています。さらに三浦半島の自然を生かした農業や太陽光発電などの新しいビジネスへの進出も、将来に向けての成長課題になってくると考えています。

《編集後記》
 京急が運んでいるものは通勤電車としての “生活”。そして羽田空港へと向かい、羽田空港から戻ってくる旅人たちの“期待”と“思い出”。そういう意味で、私は京急を「トキメキ電車」と勝手に名付けた。今年6月に社長に就任された原田社長は、鉄道本部や人事、グループ戦略などを歴任されての登場。羽田の持つポテンシャル拡大や品川の再開発といった未来面に加え、沿線の特性を生かした地域の活性化、安全運行の継続などを打ち出されている。
 例えば新千歳空港から札幌に向かってJR線に乗ると、目に付くのは同社の「どんどん来る来る!」の広告。まさに羽田空港に乗り入れる京急が、全国区の路線であり世界の玄関口へと変貌を遂げる前夜であると言うことができよう。
 115年の歴史と伝統の中で、常に先駆的役割を果たしてきた同社の今後の展開に対する期待感は大きい。京急が進化すれば日本が変わるという気概が秘められているように感じる。


(櫻井英明)

[ 会社概要 ]
社名:京浜急行電鉄株式会社
市場:東証1部
コード:9006
設立年月日:1948年6月1日
上場年月日:1949年5月16日
決算月:3月
 
☆連結業績見込み(2014年3月期)
売上高●3160億円
営業利益●207億円
経常利益●154億円
当期純利益●90億円
 
☆トピックス
 京浜地区や三浦半島を地盤に事業展開する大手私鉄の1社。国際化が進む羽田空港やリニア中央新幹線の始発駅が予定される品川など、今後の発展が見込めるエリアを有するのが強み。2012年10月には京急蒲田駅付近の高架化も完了し、羽田空港へのアクセスも格段に向上した。

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