非財務情報について

 財務情報以外の情報は「非財務情報」と呼ばれ、昨今徐々に注目度が高まってきています。日本証券アナリスト協会が発行している「証券アナリストジャーナル」の2013年8月号でも「非財務情報開示の現状と課題」という特集を組んでいます。非財務情報が注目されてはじめている背景には様々な要因がありますが、最大の要因は財務情報と非財務情報を統合した「統合報告」という新しい企業報告の枠組みの導入が検討されていることにあると考えられます。統合報告についての検討は各国の会計士協会や企業などにより作られた国際統合報告評議会(IIRC)が2010年10月から始めており、2013年12月に統合報告のフレームワークの公表が予定されています。IIRCが統合報告を検討しはじめた背景には、投資家の短期志向が金融市場の不安定化を通じて実体経済にマイナスの影響を与えているという問題意識があります。企業の情報開示が財務情報中心であることが投資家の短期志向を促進してきたという反省をふまえて、非財務情報の開示を促進し、それにより金融市場の安定化をはかろうという意図があります。よって、統合報告では長期の時間軸で考えることや、企業が有している様々なリソース(人材、知的財産、製造設備、社会性、自然)を「資本」として捉えることを推奨しています。

 非財務情報へ注目が集まる要因は上記のような制度面の変化に加えて、コンピューター技術の進歩も要因になっている可能性があります。企業の情報開示の電子化や金融情報提供業者の台頭により業績数値の分析のみでは他の投資家と差別化できず投資リターンを得ることが難しくなくなってきています。一方で企業がインターネットを活用した情報開示を積極化しているため、投資家は業績以外の情報を取得しやすくなっています。
 またビッグデータなどと呼ばれる大容量データの分析技術進歩が進んだことで、文章や画像など数値以外の情報(非構造化データ)も分析対象になってきています。ビッグデータは高性能なコンピューターを利用して分析をするため、まだ一部の企業が活用しているのみですが、今後技術が進歩するなかでは多くの人が気軽に利用できるようなサービスが展開されることも予想されます。そうなると、ますます非財務情報への関心が高まることでしょう。
 非財務情報に注目する投資家が増えると財務と株価の関係が単純ではなくなり、株価を長期間にわたって大きく変動させる要因になる可能性があります。そのような環境において株式市場で高いリターンを得るためには。非財務情報を分析するためのボトムアップ調査や、非構造化データの分析などが求められるようになると予想されるため、そのような調査・分析能力を高める必要があると考えています。

※当コラムに掲載された企業は、あくまでも当コラムの内容の理解を深めて頂くためのご参考として掲載したものであり、個別企業を推奨しているものではありません。

このページのコンテンツは、スパークス・アセット・マネジメント㈱の協力により、転載いたしております。

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