転機に立つ中国経済~異常投資の清算を迫られる~

第九章 中国経済失速から体制危機の可能性

以上の事情は、中国の金融逼迫の深刻さを物語る。問題は成長の急ブレーキとともに、資金不足が顕在化せざるを得ない構造にある。当局による改革姿勢の賜物ではなく、国内でカネが回らなくなったのである。中国は有り余る外貨準備の積み上がりにより、無謀ともいえる空前の投資を続け、長足の経済成長を遂げた。2003年以降、投資は消費を上回り続け、資本形成は2011年にはGDPの46%という異常な高水準に達した。しかしいよいよ過去の過剰投資の弊害が一気に表面化しつつある。不動産投資、企業設備投資、公共投資の3分野はいずれも経済合理性ではなく共産党の事情によって推進されており、「不良投資化」している公算が大きい。その一方で、富は企業・政府に集まるばかりで、労働分配率は異常に低く、都市部を除き消費力も高まっていない。中国経済はいよいよ構造的な袋小路に入り込んでしまったと見られる。

中国の経済主体は著しい収益悪化に見舞われよう。その過程で共産党体制の補助金に頼っていた国有企業の実態、粉飾まがいの疑惑会計が横行する企業財務、それらへの金融がもたらす膨大な不良債権、巨額の貸倒等が続出するだろう。

投資主導の「張り子のトラ」成長が終焉した。巨額に積みあがった投資額の水準維持は困難、過去の成長の過半を牽引してきた投資の寄与がゼロ無いしマイナスになるだろう。そうなれば雇用悪化、賃金低下は避けられず、消費水準も低下する。中国経済はゼロ成長へと失速する可能性が高い。それは中国経済のみならず、社会主義市場経済という論理欺瞞を露呈させ、共産党独裁体制の危機を深化させることになるだろう。「共産主義革命の遂行」を信じている人は皆無と言われる中国で、唯一共産党独裁体制を正統化してきたものはそれが「成長の実現に必須の装置」と考えられてきたからであった。経済失速は直ちに共産党独裁体制の論理的正統性を奪うことになる。

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