2013年6月3日時点での主要市場見通し

・もう1つの歪みは、前号の「花の一里塚」5月号でも述べたように、「行き過ぎた金融緩和に対する期待がさらに行き過ぎた」といった点だ。
・どこまでが「金融緩和効果に対する行き過ぎた期待」で、どこからが「金融緩和効果に対するさらに行き過ぎた期待」かを、考えてみよう。
・金融緩和に対する期待は、いわゆる「異次元の金融緩和」(4/4発表)から始まったかのような印象があるが、実際には、昨年11月に年内の解散総選挙の可能性が極めて高まった際に、首相就任前の安倍氏が、日銀は金融緩和をより積極化すべきである、と述べた時点から、既に始まっていたと考えられる。
・日本がカネ余りになるという期待(余り正しい期待であるとは言えないが)が膨らんだことにより、余剰資金が不動産市場に流れ込むとの思惑から、株式市場では不動産業の株価が上昇し、REIT(不動産上場投信)の価格も昇り基調をたどった。また為替市場では、円が余剰になるとの観測から、ほぼどの通貨に対しても円が下落するという、全面的な円安商状となった。
・こうしたカネ余り期待に沿った物色が行なわれている間は、(カネ余り期待自体が行き過ぎだったとしても)それなりの金融相場の色彩を保持していたと言えよう。

(図3)

・しかし物色動向を追っていくと(図3)、不動産株価指数は4/12にザラ場高値、東証REIT指数は4/5にザラ場高値をつけて、ピークアウトしている。すなわち、株式市場やREIT市場におけるカネ余り相場は、既に終わっていたと言える。
・加えて、豪ドル、NZドル、南アランド、ブラジルレアルなどは、4/11にザラ場高値をつけている(ただしブラジルレアルだけは、その後5/14に、わずかな幅ながらも高値を更新している)。すなわち、全面的な円安といった、外貨市場における日本の資金余剰思惑による相場も、4/11で概ね終わったと言えるだろう。
・ということは、真の「金融緩和効果期待相場」は、4/11前後(図3の縦線)で終わっている。その後は何だったかと言えば、「さらに行き過ぎた期待による相場」「金融緩和効果期待の残像相場」だったのだろう。

・このように、2つの歪みに着目してきたが、(図2)にあるように、日経平均採用銘柄への売買の集中は、かなり緩和されてきている。その点では、1つ目の歪みの調整は、かなり進んだと言える。
・また、2つ目の歪みである、「金融緩和効果期待の残像」が消えうせたことが、最近の株価下落の背景であったとすると、残像が全て消えれば、前述の4/11の辺りに戻る(「さらなる行き過ぎ」が発生する前に戻る)と解釈できる。4/11前後は、日経平均は概ね13000~13500円水準で推移していた(※3)。現在はこの水準に戻ったため、株価の調整は完了してもおかしくない。
・米ドル・円相場については、4/11近辺は100円手前であった。この点からは、米ドルが100円割れの水準(95~100円)に下落する可能性が、目先は強いと言えるだろう。ただし、米国の景気自体は安定感を増しているため、100円を割れても軽微か、あるいは100円のぎりぎり手前で踏みとどまってもおかしくはない。

・以上のように、株安や円高については、水準面からは既に十分な程度進んだと考えている。ただし投資家心理は不安定で、ポジションの傷みもあるだろう。リーマンショックのような、外部的なショックの場合は、大きく下げた株価や外貨相場が、一気に戻る、という展開が良くあるが、今回はショック性の下げに当たらない。本格的に株価や外貨が上昇に転ずるには、やや時間がかかるように見込まれる。
・当面の材料は、6/14(金)に予定されている、成長戦略の閣議決定だろう(財政等の骨太の方針も、同時に決定される見通し)。材料出尽くしによる失望を唱える声も聞くが、諸策に関連した産業(たとえば海外インフラ輸出支援策による、重機、重電、鉄鋼等)にとって好材料であり、余り悲観視すべきではないだろう。ただし一方で、成長戦略としての性質上、強い産業・企業を伸ばそうというものであって、弱い部門を含めた全面底上げ策ではない。株式市場全体が大きく持ち上げられる、という展開にはなりにくいだろう。

※3 日経平均は、4/5に直近の上昇局面で初めてザラ場で13000円乗せ、4/12のザラ場高値が13568.25円。

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