メディネット 木村佳司代表取締役社長インタビュー

━━最後に御社と再生細胞医療の将来展望についてお話しください。

 再生細胞医療の分野は、今ようやく研究成果の刈り取り時期に入ったところなのです。当社の創業の頃は、再生細胞医療に注目する企業はありませんでした。ですから仕方なく自分たちですべてを投資し、切り拓いてきたのです。その投資したものが今、知財として蓄積されている。研究というものは、当たり外れはあるにしろ、たくさん投資したところに多くの知財が残っているものなのです。この内部留保をうまく生かしていきたいです。
 再生細胞医療では特許という分かりやすい部分と、ノウハウという時間がかかり分かりにくい部分がありますが、細胞加工ではノウハウの重要度が大きい。つまり我々の蓄積は、確実に競争力になっているのです。また、細胞に遺伝子を導入する「エレクトロポレーション技術」のアジアでの権利を我々が持っているということも大きな力になると思います。
 私はこの分野は経産省などが予想する市場規模より遥かに拡大するのではないかと考えています。そのためには、今後、再生細胞医療が社会にどのくらい受け入れられるかがポイントでしょう。この分野は世界中で研究され、目に見える結果も出てきていますが、日本が先頭に立って開発しやすい環境を整えれば、各国の企業が日本で開発しようという動きも出てくるはずです。ですからその意味でも、一連の医療制度改革の成否は、日本のこの分野での将来の成長性を左右すると思います。

《編集後記》
 バイオ企業の株価の上昇は急速だったが、目先の値動きにとらわれた面が多かったことは否定できない。しかし底流では、世界のトップランナーとしての地位を築くべく国策として動いてきたという事実があるということ。ここを忘れてはならないだろう。
 同社の次の10年に向けての行動規範は「Think Global, Act Local」。この意味について、木村社長は「これまできっちりやってきたことをグローバルにも生かしていこうということ」と説明する。「静かに地味に一歩一歩やってきた会社」という印象は、数年前に話を伺った時にも感じたが、今回はその背景にある自信や自負も言葉の裏に感じられた。
 「私たちはこれまで種まきをしてきたようなもの。今までやってきたからこそ分かることは多い。きっちりした土台にしかきっちりとした建物は建ちません」と木村社長。「基礎がきっちりできたタイミングで制度も整備されました。臨床開発のどれがいけそうでどれが行きやすいかを含めて、社内の知見を活かして順番に確実に承認をとっていきたい。今後、再生細胞医療は保険適用にもなってくるでしょう。我々が当初から目指している『少なくとも、日本どこでも受けたい患者さんに提供できる環境』に一歩近づいたのではないでしょうか」。ワクワクする取材だった。


(櫻井英明)

[ 会社概要 ]
社名:株式会社メディネット
市場:マザーズ
コード:2370
設立年月日:1995年10月17日
上場年月日:2003年10月8日
決算月:9月

☆連結業績見込み(2013年9月期)
売上高●24億円
営業利益●-6.2億円
経常利益●-6.2億円
当期純利益●-6.3億円

☆トピックス
 次世代医療として期待されるがんの免疫細胞療法の総合支援サービス、再生・細胞医療CPC(細胞加工施設)の運営管理を展開。がん患者の将来治療に役立てるため「自己がん組織バンク」サービスも推進、多方面の注目を集めている。

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