2013年5月1日時点での主要市場見通し

(図2)
図2

・まず米国の雇用情勢について(図2)をみると、米国の企業経営者も経済の先行きに警戒的であるため、景気回復にも関わらず、雇用の拡大には慎重である。したがって、雇用者数(図2の下の実線)の回復は極めて緩く、失業率の低下も遅い。
・しかし実際の米景気の基調は強く、各企業の仕事量は増大している。抑え目の数の雇用者で増大する仕事を消化するため、一人当たりの労働時間は残業等で伸び、もともとインフレ率にスライドして上昇する賃金に、さらに時間外手当が乗っている。結果として、雇用者が受け取る週当たり総賃金(=雇用者数×週当たり労働時間×時間当たり賃金、図2の上の点線)は力強く回復している。
・こうした受け取り賃金の増加により、米国の個人消費は堅調であり、それが米国株価の下支えとなって働くと見込まれる(それにも関わらず、失業率の低下が遅いため、米連銀は金融緩和の長期化を強いられかねない)。

・一方、日本の雇用情勢を見てみよう。2009年に至るリーマンショック時の不況からは、失業率は徐々に低下してきている(図3、失業率は軸を逆にしており、グラフの線が上に行くほど失業率が低下している形)。しかし雇用の改善ほどは実体経済が改善しておらず、所定外労働時間(残業時間)の前年比は最近マイナスに落ち込んでいる。すなわち、日本では、雇用の改善は一人当たりの労働時間短縮という結果になっている。

(図3)
図3

(図4)
図4

・しかも雇用増の内容をみると(図4)、パートタイムの雇用増が中心で、一般労働者(正社員)の雇用はむしろ前年比で減少している。このため、総労働者数が若干増えていても、比較的高賃金の正社員が職を失い、比較的低賃金のパートタイムが増えているという展開では、個人消費の先行きは危ういと言える。
・足元では、マスコミが「アベノミクス」をはやし、株高・円安が生じているため、消費者心理も改善し、「プチ贅沢」と呼ばれる支出増がみられるようだ。しかし雇用の実態が、パートタイム中心の雇用増で正社員が職を失い、職があっても残業手当が減っている、という状態では、心理改善だけでどこまで個人消費がもつのか、不安を覚えてしまう。
・最終的には三本の矢の全てが(期待ではなく)実行され、個人消費を含めて国内経済は回復に向かうと予想するが、一旦は国内景気回復の緩やかさに、先行した株価が調整して合わせる展開になるものと考えているのである。

以上、見通しの背景。このあと、前月号の見通しのレビュー。

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