第9回 パッシブ運用について

 結論としては、±3%の方が±5%よりも良い結果となる。読者の方は、実際にエクセルで計算できるので、まったく同じになることを確認してもらいたい。これが複利効果を表していることを実感できるはずである。
 まず1期目はどちらもプラスであり、プラス5%の方が当然より増えている。2期目には既に複利効果が見られる。どちらもマイナス3%と5%なので、当初の1万円に戻りそうなものだが、実はどちらも当初元本1万円を少し割り込んでいる。なぜかと言うと、1期目のプラスで元本が増えているため、それに対してマイナス3%と5%をすると、そのマイナス額は1期目のプラス額よりも多くなるからである。これが単利とは異なる部分であり、「行って来い」にはならない理由である。
 更に面白いことに、25期目を過ぎると±5%の方は「常に」±3%を下回るようになる。マイナス5%が積み重なって勝ち分を毀損してしまい、プラス5%でも追いつかなくなるのである。この極めて単純なグラフからも分かる通り、長期で運用する場合、複利効果があるため「負け幅を抑える」ことが非常に重要なのである。
 さて、パッシブ運用である。もうお分かりであろう。アクティブ運用は、毎年確実に運用報酬でパッシブに負けるのである。複利効果を考えると、それがどれほどのパフォーマンス悪化要因になるか分かるだろう。運用期間が長期間になればなるほど、それは圧倒的な差となって投資結果に跳ね返ってくる。だからこそ、年金投資家のような超長期投資家はパッシブ運用の割合を増やしているのである。

 長期的な資産運用においてパッシブ運用が非常に有効な手段であることを改めて指摘しておきたい。その優位性の源泉は低コストである。運用期間が長期になればなるほど、低コストが効いてくる。また、アクティブ運用が長期的に一貫して市場平均を上回ることが少ないことも、その優位性の理由である。
 では、パッシブ運用にデメリットはないのだろうか?あるとすれば、「つまらないこと」かもしれない。パッシブ運用の本質を理解しても、実際にそれを実行すると、特にダイナミックに動くことがあるわけではなく、「投資判断」を下すことも少ない。せいぜい投資金額を微調整するぐらいだろう。しかも長期で運用して初めてそのメリットが効いてくるので、数年続けて大きな成果が出ない場合、止めたくなってしまうことが多い。その辺りの「何もしないで良い」ところが、逆にパッシブ運用のデメリットと言えるかもしれない。
 これまで本コラムで、指数の本質的役割や機能、個別株投資にも使える統計データ、新しい指数開発、指数やETFを使ったロング・ショートなど、ダイナミックな投資での使い方を紹介してきた。それも一重に、パッシブ運用というものが「ダイナミックではない」「刺激のないもの」と受け止められているからである。何もパッシブ運用ファンドを低コストで長期に持つことだけが指数を使った投資ではない。ETFを個別株と組み合わせてダイナミックにトレーディングするのも、指数を使った運用である。指数と金融商品の進化を受けて、指数を使った運用も進化している。筆者はこれらすべてを総称して「インデックス投資」と呼んでおり、今後世界的に、機関投資家と個人投資家の両方で、インデックス投資が中心になると確信している。

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