市場見通しを全般に上方修正

 たとえば国内経済指標をみても、消費者心理を示す消費者態度指数などは大きく改善を見せているが、鉱工業生産の動向は(図1)、ピークまで積み上がった在庫の解消過程にあり(在庫のピークは図1の丸印)、本格的な生産の立ち上がりまで、まだ少し時間を要しよう(ただし、直近の在庫のピークは、過去と比べると低めの位置にあったので、年末に向けての生産回復の可能性は極めて高い)。
 また、昨年秋以来円安は進行したが、日本からの輸出金額の伸びは、海外需要の回復の緩やかさもあって、はかばかしくはない(図2)。基調としては、世界景気回復が日本からの輸出押し上げに働いてくるだろうが、円安の福音がもたらされるにも、やや時間がかかるものと懸念される。

 日本以外も含め、世界の潮流をみると、これまで諸レポートで述べてきたように、米国では堅実な景気の回復と、それを踏まえた実力相応の米株価の着実な上昇が続いている。こうした、米国での株式投資のリスクを取ろうという資金の流れは、米国のBBB格社債市場にも表れている(図3)。すなわち、2011年秋にイタリアの財政不安で、世界的にリスク回避的な空気が広がったあとは、直近に至るまで、BBB格社債が買われて米国国債との利回り格差が縮小傾向をたどってきた。しかしそうしたリスク追求的な姿勢はBBB格までで、より格付けが低い債券については、価格が横ばいにとどまっている(図4)。

(図3)
図3

(図4)
図4

(図5)
図5

 さらに、米国内ではリスク追求的な態度が広がりつつあっても、エマージング諸国の国債価格は(ごく直近では反発してはいるもの)大きく売り込まれた局面もあり(図4)、エマージング諸国の株価も先進国に比べて水を開けられてきている(図5)。

 すなわち世界全体の動向は、決して手放しで明るいわけではなく、米国内では、株式から投資適格社債辺りまでは買い意欲が回復しているが、低格付けのハイイールド債までは物色が広がらず、国別には、先進国ではリスク追求的な動きが進んでも、新興国まで一手に買うほどにはなっていない、という状況だ。
 中長期的には、世界全体でリスク追求的な動きは一段と広がると予想しているが、今は「道半ば」であると言えよう。

 決して日本市場や円相場が、世界の動向に一歩も違わずお付き合いしなければならないわけではないが、ここ数日の国内株価や円相場の動きは、大きな世界全体の流れからやや乖離が広がっているように思われるのである。日本株や外貨(対円)の投資戦略としては、中長期的な株高と円安・外貨高を見込むため、引き続き時間分散的な買い溜めを推奨する。

(以上)

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