「宿命的悲観」の呪縛から脱却せよ~不当株安、不動産安の是正が始まった~

図表4は日米ユーロ圏三極の不動産のフェアバリュー(妥当価格)と時価の推移を対賃料比で見たものである。米国とユーロ圏ではリーマン・ショック直後を除いてほぼ両者は連動しているのに対して、日本は過去20年間フェアバリュー(妥当価格)はほぼ横ばいであるのに対し、時価が一貫して低下し、両者の乖離が大きく広がっていたことが明瞭である。この結果、日本(東京)の不動産価格は世界主要国の中で最も割安になっている。図表5は世界主要都市不動産のキャップレート(期待リターン)と債券利回りの格差、イールドスプレッドを比較したものである。このイールドスプレッドはいわばリスクプレミアムといえるが、東京が世界最高であることがわがかる。株式だけでなく日本の不動産も世界一割安状態に放置されてきた、と言える。

図表4

図表5

「日本先頭論」ではなく「日本後追い」だ
この株価、不動産価格の極端な乖離、日本株価の独り負けに対して、それを正当化する議論が日本では圧倒的に優勢であった。それは一言でいえば、日本先頭論のパーセプションと言える。「バブルが破裂し、不況に陥り、デフレと長期経済停滞がそれに続く」という、1990年以降日本が辿った道を欧米が後追いしているとする議論である。リーマン・ショック後の世界金融危機にあたっては、バブル崩壊とデフレ先進国の日本が米国や欧州にアドバイスできるとする見方が広がり、実際日銀はそうしたアドバイスを実施してきた。バブル崩壊後デフレに陥った日本に対して、バーナンキ氏やクルーグマン氏など欧米の経済学者たちが「消極的な金融緩和に原因がある」との批判を繰り広げてきたが、「結局そちらもバブル崩壊と金融危機に陥ったではないか、日本の道を後追いしているではないか」と溜飲を下げた論者も多かったようだ。去りゆく日銀白川総裁もまさにそのようなスタンスであったように見える。

日本先頭論に立てば、財政赤字の積み上げや異常な金融緩和に支えられた米、欧の経済と株価は不健全であり持続性がない。いずれ息切れし、再度リセッション、更には金融危機が舞い戻り、株価や不動産価格が下落するに違いない、との見方となる。危機心理が常態化し株式低迷の日本の現実こそが、本筋であり、欧米は後追いして来るのだ、というのである。

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